第7話 天使長の実況(後編)

 さて、始まりました後編です。勇者と剣士の2人は庭に出ました。何故だか剣士は剣を4本も持ってきています。

「この前見せた技も『気』を使って剣速を上げていたんだが、今回は違う使い方を見せようか。」

 えっ?この前のって見えない斬撃の方じゃなくて速さに「気」を使ってたんですか?じゃああの見えない斬撃はいったい・・・。あっ、両手に剣を構えました。これからどんな技が見られるのでしょうか。

「はああぁぁぁぁぁ、はぁっ!」

 ブワッ!シュゥーッ!ズババッ!

 ・・・・・・何ですかあれ。髪の毛逆立てるのはうちの神さまもよくやるので見慣れてますが、その上で残りの剣を抜いて操るって。両手の剣と同時に扱って見事に木を四つ切り倒しましたよ。「気」ってあんなこと出来るんですか。この人達下手したら各神さまに仕える天使長達より強い気がします。ま、まあ?私は他の天使長とはかなり違うので?まだ私の方が強いですけど?

「すっげぇー!それなんて技なんだ?」

 確かに技名が気になりますね。あんなインパクトのある技なんですから、さぞ強そうな名前が付いててもおかしくありません。

「他にできる者が居ないから、名前が決まってないんだ。」

 何ですって?それは問題です。さあ今から名前を付けなさい!カッコイイ名前を!早く!

「じゃあ俺が付けてやるよ。そうだな、『練巧操刃れんこうそうじん』なんてどうだ?」

 いいですね!漢字四文字!中二病感があって好きです!

「いいな!まさにピッタリといった感じだ!この技はこれより、『練巧操刃』と呼ぶことにする。」

 いやー、青春ですねー!500年前に自分がドブ川に捨ててきた青春がそこにあります!

 ちょっとヒートアップしすぎましたね。こんな所を誰かに見られたりでもしたら大変です。

『見てましたよ』

 うわぁ!?誰かと思ったら、まあまあ大きめの世界を作った神さまのとこの天使長さんですか。さっき見た事は忘れてください、いいですね?

『そんな念を押さなくても、誰にも言いませんよ。それよりも、あなたの神さまから伝言ですよ。』

 はい?伝言ですか?どうせまた朝帰りになるとかでしょう。

『まあ大体そんな感じですね、「今日こいつんとこ泊まってくから〜♪」だそうです。相当酔っ払ってましたよ。』

 ああ・・・うちの酔っ払いが迷惑かけます。良かったら泊まっていきます?

『そうしたいのはやまやまですけど、めんどくさい仕事が残ってるもので。』

 そうですか、お疲れ様です。あちらへ戻ったらあのバカに伝言お願いします。帰って来たら1回引っぱたく!

『お互い苦労してますね。では。』

 ・・・あの人ワープで帰れるのいいな。私も出来るようになりませんかね?

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