第4話 結局みんなヤバかった

 おはよう。なに?もうお昼?気にしない気にしない。それよりも、今日はどんな感じになってるかな?・・・あ、うん、朝に何があったの?そこら中に倒れた木があるんですけど。それどころか謎のクレーターが一つあるんだけど。これは朝に起きた出来事を知る必要がありますねぇ。ちょっとそこの天使くん、朝の出来事記録したDVDある?天使長が持ってった?探すぞおい。


       ~15分後~


 ふう、なんとか見つかった。それじゃ、再生っと。

「勇者さん、昨日はすごかったです!それで今日は、私たちの力もお見せしたいんです!」

 そう言うのは魔法使いちゃん。まあ昨日は勇者くんのお披露目みたいなもんだったし、自分らの能力もお披露目したいよねー。うん、もう何が起こったのか大体把握したけど一応観てみようか。

「まずは私からだね。」

 1番手は武闘家ちゃんかぁ。何をやらかしたのかな?

豪波ごうは鳳凰掌ほうおうしょう!」

 彼女がそう叫びながら突き出したてのひらは衝撃波を生み出し、真正面に立ち並んでいた木々を十数本ほどぶち抜いていきました。うん、やばいね!時間差で倒れていく木なんて見たく無かったよ!なんで目を輝かせているんだい勇者くん!剣士くんも!

「どうよ!これでもまだ弱いほうの技なんだからね!」

 堂々と怖い宣言をしないでくれるかな武闘家ちゃん!

「次は俺だな。」

 次は剣士くんか、もう悪い予感しかしないのはなんでだろう。先にあの惨状を見ちゃったからかな?

扇颯刃せんそうじん!」

 わあ!目にも止まらない神速の斬撃!僕じゃなきゃ見逃しちゃうね!鞘から抜いた長剣は前方を薙ぐ。その時に生まれた斬撃はそのまま広がり、これまた十数本の木々を切断する。時間差で木が倒れるのは最早デフォルトなのかな?

 まだ一人残ってるんだよね、てことはクレーターの犯人は魔法使いちゃんなんだね?見たくないけど見たい!

「最後は私ですね!ここじゃちょっと狭いので、一番弱い魔法にしますね!」

 その庭を狭いとか言っちゃう?もうそれ王都の広場くらいあるよ?

「いきますよ?『プチファイア!』」

 うん、誰でも使える初級魔法だね。生活にしか使わないくらいの。なのになんでそんなにでかいんだい?そこら辺の魔法使いが放つ『ファイアインパクト』くらいの大きさと威力があるよ?そりゃクレーターも出来るよね。

 はあ、まだ昼なんだけど、今日はもうこれ以上何か起こったりしないよね?

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