第23話 キスと束縛
“ガチャ”とバスルームに通じる洗面所のドアが開き、バスタオルを胸から腰の下まで巻いた玲子が出て来る。
慎一はその玲子の姿を見て、再び興奮する。
「慎一さん、そんなにジロジロ見ないで。」
そう言って玲子はベッドに腰掛けている慎一の横にちょこんと腰掛ける。
慎一が手を出せば、すぐのところにいる。
玲子の息遣い、玲子の温かい体温を感じるが、慎一には手が出せない。
こんなに近くにいるのに、視線さえ合わせられずに慎一はもどかしさを感じる。
その時、腕に温かいものを感じ、慎一は腕を見ると、玲子が寄りかかり、その頭が慎一の腕に寄り掛かっていた。
「玲子…」
慎一は恐る恐る玲子の名前を呼ぶ。
玲子は顔を上げ、潤んだ瞳を慎一に向ける。
「玲子」
もう一度、慎一は玲子の名前を呼び、顔を近づけ、玲子のピンク色の可愛い唇に自分の唇を合わせる。
玲子の唇は柔らかく、温かく、そして、そこから漏れる吐息は甘い香りがした。
慎一は、腕を玲子の体に回し、抱きしめ、そのまま、布団の上に押し倒すと、玲子も慎一の体に腕を回し、抵抗することなく慎一に押し倒されるように布団の上に横たわる。
覆い被さるようにして、慎一は自分の舌で玲子の舌を探すと、玲子も同じように慎一を探し、出会ったところで、舌先で触れ合い、お互いを認識すると二人は深く、また、蜜に絡め合う。
飽きることなく絡め合うと、その後、慎一は唇から離れ、玲子の耳たぶを優しく噛み、首筋へと舌を這わせながら、跡が残らない程度に吸う。
玲子はくすぐったいのか、気持ちいいのか、目を閉じたまま吸われると体をブルブルと震わせる。
そして首筋から肩、肩甲骨へと下がって行くと、慎一は玲子の体に巻いたバスタオルを剥がし、玲子の裸体を露わにする。
「慎一さん、恥ずかしい…」
「大丈夫だよ。
すごく綺麗だ。」
「本当?」
「ああ、本当だ。」
慎一は、玲子の乳房をそっと握り、指の腹で乳首を転がす。
そして、固くなるのを感じると、口に含み、舌で転がす。
「く、くすぐったい…」
玲子は甘えたような声を出す。
慎一は、丁寧に両方の乳首を愛撫すると、乳房全体にこまめにキスをして、舌を脇から二の腕にかけて、柔らかな部分を刺激しながら、片手を玲子の腹部からゆっくり女性の部分へと滑らせて行く。
玲子の女性は、すっかり慎一を迎え入れる準備が出来ていた。
慎一は、口で玲子の首筋を刺激しながら、二本の手の指の腹で玲子の女性の外側から中心に掛けて、優しいタッチで刺激を与える。
玲子はいつの間にか無意識に、慎一の愛撫に呼応するかのように、体を小さくくねらす。
AVを参考にアクロバティックな技やハードコアな技を考えていたが、初めからは敷居が高過ぎると慎一は思いソフトなタッチにしていたが、それでも十分、玲子の体を満喫していた。
玲子も慎一に時間をかけて愛され続けられ、気が変になりそうなくらい気持ちよかった。
玲子の女性は、迎え入れる準備どころか、十分に出来上がっていた。
慎一は、上半身を起こし、両手で玲子の脚を開かせながら、腰をずり上げ、玲子の出来上がった女性に狙いを定める。
指で玲子の女性の位置を確認して、猛り狂っている男性の頭で女性に触れる。
玲子は体に少し力を入れたようだった。
目をしっかりつぶって、口を真一文字に閉じ、顔を横に向け、小さな手で拳を握って、耐えようとしているように見えた慎一は、玲子に夢中になっていた。
玲子は、痛みに怯える気持ちが消し飛び、慎一の男性がやってくるのを、自分の中にしっかり入ってくるのを今か今かと待っていた。
そして、慎一はレベルマックスに達した男性を玲子の女性の中を埋めて行く。
玲子の女性は、最初、男性が入る時、抵抗があったが、そのあとは、すんなりと入っていく。
「う、うぅ」
くぐもった声とは裏腹に玲子は心の中で『きゃん!』と喜びを爆発させていた。
痛みはあったが、最初だけで、そんなにひどくなく、押し入ってくる慎一の男性の感覚が今まで経験したことがない不思議な、そしてなんとも言えない感覚に変わっていた。
(慎一さん、来た、来たぁ。
あ、そんなに奥まで来ちゃうの?)
昨日は、痛みが中心になり、ほとんど、感じることが無かったが、今日は、慎一の男性をよく感じることができていた。
(これなら、そのうち、きっと気持ち良くなるわ)
慎一も玲子の女性の中は温かく、柔らかで、たまに締め付けられるような感じがして、最高に幸せな、そして、自分の男性で玲子の女性のなかをかき回したいという獰猛な気分になっていた。
(な、なんて気持ちいいんだ。
もう、めちゃくちゃにしたい。
でも、やっぱり我慢して、優しくしないと。
でも、でも、少しだけ)
慎一は、玲子の中で男性を動かし始める。
とば口まで抜いて、また、奥深くまで。
(ああ、何といういい気持ちなんだ)
上気した玲子の体から、慎一の要望をさらに刺激する、甘いような甘美な香りと、どこを触れても柔らかで温かい玲子の体が、慎一を掴んで離さない。
慎一は、玲子を離すまいと抱きしめながら、玲子の中で男性をまるで子供のように暴れさせる。
玲子も両方の手で慎一の腕を離れまいとしっかりと握る。
それが、また、慎一を興奮させていた。
(あ、いや!
おかしくなりそう。)
多少の痛みと、まだ、感じるところまでいっていない玲子だったが、身も心も興奮して、おかしくなりそうだった。
「い…」
(いやぁ。
おかしくなっちゃう)
「い…」
(いくぅ!
玲子、ごめん)
息遣いも荒くなり、男性の動き激しくなり、そして、慎一自身も驚くほど、大量に自分の全てを玲子の中に注ぎ込む。
(あ!
ビクビクって。
慎一さん、いったのね。
可愛いい)
玲子は、慎一がいったことを何となく感じ、慎一のことを愛おしく思い、慎一の背中に手をまわし、抱きつく。
慎一も全てを出し切り、しばらく玲子の首筋に顔を埋め、少し醒めた気分になったが、香り立つ玲子の匂いで、醒めた気分は払拭され、愛おしさに溢れる。
慎一は、顔を上げ、玲子の頬を撫で、その顔を見つめる。
「大丈夫?
痛くなかった?」
「うん。
大丈夫です。」
前回と違って玲子は痛いから男性を抜いてほしいとは言わなかった。
慎一は、暴れ疲れて大人しくなって来た男性を、玲子からそっと抜く。
玲子は小さく息を吐き、男性がいなくなるのに名残り惜しそうだつた。
「じゃあ、私、失礼してシャワーを浴びて来てもていいですか?」
「ああ、どうぞ」
玲子は上半身を起こし、慎一に背中を向ける、
慎一も起き上がって、玲子の綺麗な背中を押してキスをする。
「あん。
もう、動けなくなっちゃうでしょ。」
「悪い、悪い」
そう言いながら、慎一は玲子の背中への愛撫をやめなかった。
玲子もじっとしていたが、そろそろまずいという時が来たので、振り向いて慎一の唇にキスをする。
「もう、おしまい。
ね!」
甘えたような声を出し、バスタオルで体を包むと、玲子はさっとバスルームに消えていった。
残された慎一は、満更ではない玲子の態度を見て10倍も100倍も気が大きくなったようだった。
(レイレイ、喜んでいたな。
俺、結構、満足させるのが上手いのかな。
10代の時、性春のバイブルを読んで、勉強したせいかな。
意外とテクニシャンだったりして。)
可愛いらしい誤解をする慎一だった。
玲子がシャワーを浴びていると、体から慎一がシャワーとともに流れ出てくる。
(何か、昨日よりも多い気がする。)
そう思いながらも悪い気持ちにはならなかった。
(そう言えば、カラータイマー、何分だったのかしら。
夢中だったから、わからなかったわ。)
綾瀬に言われたことを思い出し、玲子は一人可笑しくなって笑ってしまう。
(でも、体中触らせて、くすぐったけれど気持ち良かったな。
慎一さん、本当に経験少ないのかしら?
もしかして、練習だとか言って、女の人を買ったり、変なお店に通ったりしていないわよね。
…
どうしよう…
そうだ、居場所がわかるスマホ用のソフトがあったわね。
…
私って、意外と"束縛する女"だったりして。
きゃっ!)
一人で燥ぎ、自嘲気味に笑う玲子だった。
シャワーを浴びた後、バスルームも掃除して汚れが残っていないかを確認して、玲子は洗面所から出て来る。
慎一は、バスタオルを腰に巻き、ベッドの上で座っていた。
「慎一さん、そんな格好でいたのですか?
いくら暖かくなって来たと言っても、風邪を引いちゃいますよ。
早くシャワーを浴びて来てくださいね。」
「ああ。」
慎一は、玲子が服を着て出て来たのを見て、気のない返事をする。
「しょうがないなぁ。」
玲子は、苦笑いしながら慎一の前に立ち、腰を折って、慎一の唇に自分の唇をそっと重ねる。
「おっ!」
「さ、早くシャワーを浴びて来てくださいね。」
「わかった!」
慎一は、ご機嫌になってバスルームに行く。
「扱いやすい人。」
玲子は吹き出しそうになるのを、じっと抑える。
「さあ、お布団を綺麗にして、アイロン掛けと、夕飯の支度をしなくちゃ。」
玲子はご機嫌になって、用事を始める。
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