第19話 シンクロニシティ

翌日は、朝からポカポカ陽気の暖かくいい天気だった


慎一は朝からシーツや布団カバー、タオルケットといった寝具一式を洗濯し、布団は布団乾燥機を掛け、部屋の中の掃除と大忙しだった。


全部終わって、ベッドメーキングが完了する頃は、2時頃になっていた。


汗をかいたので、急いでシャワーを浴び、一息ついたころ、玲子が訪ねて来る。


「こんにちは」


「いらっしゃい。」


慎一は何食わぬ顔で玲子を迎える。


玲子はコートを脱ぐと明るい色の花柄のワンピースを着ていた。


(あら?

 シャワーを浴びていたのかしら。)


慎一からシャンプーやボディソープの匂いがして、玲子は部屋の中を見渡すと部屋中、小綺麗に片付いているのが目に入った。


(部屋も掃除してあるし、ベッドも綺麗になっているみたい。

 まさか、今日来た目的を気づいているのかしら。)


「ん?

 レイレイ、どうかしたのかな?」


押し黙っている玲子を見て、慎一は声を掛ける。


「え?

 いいえ、何でもありません。

 それより、また、変な呼び名で呼んで。

 せっかく、クッキーを持ってきたのに、あげませんからね。」


玲子は持って来たクッキーの袋を慎一の目の前に揺らして見せる。


「そ、そんな。

 レイレイはクッキー、大好きなんだ」


「ほら、またぁ」


手を伸ばして来る慎一に、玲子はワザと袋を上に上げて見せる。


「クッキー」


慎一が上に手を伸ばしてクッキーの袋を取ろうとすると、玲子は袋を下げる。


慎一が下に手を伸ばしてクッキーの袋を取ろうとすると、玲子は袋を持ち上げる。


二人はジャレ合うように何度か繰り返しているうちに、玲子がバランスを崩して、慎一の腕の中に倒れ込み、慎一は、しっかりと玲子を抱きしめる形になった。


「レイレイ、大丈夫?」


「また、その呼び方。

 玲子って呼んでください。」


玲子は恥じらうような顔をして、潤んだ瞳で慎一を見上げる。


そして、半開きになった玲子の唇は濡れているように光り、その艶めかしさに慎一は背中に電気が走ったようだった。


「玲子…」


「はい」


慎一の呼び掛けに、玲子は可愛らしい笑顔を見せる。


その笑顔を見た瞬間、慎一の眠っていた何が目を覚ます。


慎一は、いきなり玲子を横抱きに抱え上げ、お姫様抱っこをすると、そのままベッドに連れて行き、掛け布団をめくると、優しく布団の上に玲子を下ろす。


布団は柔らかく、乾燥機の熱が残っているのか温かく、洗濯仕立ての香りがして、玲子は嬉しかった。


そして玲子は何も抵抗することなく、じっと慎一を見つめている。


慎一は、玲子の頬に手を添えると優しく唇にキスをする。


「いいのか?」


慎一の問いかけに、玲子は小さく頷く。


「でも、ゴムアレルギーは?

 病院で手配してもらうのでは?」


「ううん。

 そう言う製品は入手が難しいのですって。

 だから、なしで。」


「え?

 大丈夫なのか?」


「うん。

 代わりにピルを飲んでいるから大丈夫です。

 それに、慎一さんのこと、信じているから」


「わかった。

 何が起きても、俺がちゃんと玲子のことを守るから安心して、そして信じてな。」


「うん」


玲子は、初めて慎一を年上の頼れる男として意識し、下から慎一の首に手を回すと自分方に抱き寄せ、その唇に自分の唇を重ねる。


玲子から重ねた唇を一度離すと、次に慎一から唇を重ね、舌が玲子の舌を探すと玲子も待っていたかのように、慎一の舌に絡めてくる。


二人はお互いを確認し合うように時間を掛ける。


しばらくして、慎一は唇を離し、玲子を見下ろすと、玲子は顔を上気させ、恥ずかしそうな顔をしていた。


慎一は、優しく笑いかけ、玲子の首筋に顔を埋め、玲子の香りと温かさを楽しむと、首筋に沿って唇を這わせ、優しく吸ったり、舌で刺激する。


その度に玲子はくすぐったいのか、体をよじった。


慎一は空いている手で服の上から玲子の体を撫で回す。


胸は柔らかく、可愛らしいお尻は弾力があった。


「くすぐったい…」


玲子は吐息とも取れる声を上げる。


満足すると慎一は、玲子のワンピースを優しく脱がせる。


ワンピースの下は、合わせたようなピンクの柄の下着を着ていた。


下着以外の素肌の部分は、きめの細かな綺麗な肌で、その肌からは玲子の甘いような良い香りが湧き上り、いやでも慎一の欲求をかき立てる。


慎一も服を脱いでトランクス1枚になると、玲子は恥ずかしかったのか、掛け布団の中に潜り込んでいた。


慎一も掛け布団の中に入ると、中は玲子の甘い香りで溢れていた。


慎一は、覆い被さるようにして玲子を抱きしめ、その首下や肩に口を使って吸ったり、愛撫し、片手でブラの上から乳房を優しく揉む。


玲子はくすぐったいのか、口を噤んで顔を反り返らせる。


慎一の手は、ブラからショーツへ移動して、ショーツの上から女性を刺激し、その中へ滑り込んでいく。


「あ」


玲子は小さく声を漏らし、ビクっと両脚に力を入れて侵入を拒んだが、慎一の手が動くと力を抜く。


指先が女性に到達したが、まだ、迎え入れる準備ができていなかった。


慎一の指は爪が当たらないように優しく玲子の女性を刺激すると、すぐに温かいものがあふれ出て来て迎え入れる準備が出来てくる。


玲子は上半身を丸めるように頭を慎一の胸に押しつけた。


慎一は手を戻し、玲子をしっかりと抱きしめ、ブラのホックを外して脱がすと、その下から形を良い乳房が現れる。


「なんて綺麗なんだろう」


慎一の思わず声を漏らすが、玲子は恥ずかしそうな顔をするが何も答えなかった。


次にショーツに手を掛け、脱がそうとすると、玲子は少し腰を浮かせ慎一を助ける。


そして慎一の眼下で玲子はその美しい裸体を惜しみなくさらす。


「な、なんて美しいんだろう。

 初めて綺麗とはこういうことを言うのだと思う。」


慎一の口から歯が浮くようなセリフが自然に溢れる。


決してお世辞でもなく、慎一は今まで雑誌に載っている裸の女性の写真やその手のビデオで女性の裸を見てきたが、眼下に恥ずかしそうに横たわる玲子の裸体は、今までに見たことのない美しさだった。


慎一に綺麗だと言われ、玲子は恥ずかしさと嬉しさから、顔が熱くなった。


そして、慎一はトランクスを脱ぎ、再び、玲子に覆いかぶさるようにして、優しく玲子の乳房を揉みながら、蕾のような乳首をそっと口に含み、吸ったり舌先で撫でるように愛撫する。


玲子は顔を横に向けて、片手で口を押さえるように、また、もう一方の片手にシーツを握り締め、くすぐったい以上の初めての感覚に耐えているようだった。


慎一は顔を上げて、無防備になっている側の首筋を吸いながら、手を玲子の女性の上に滑り込ませ、指で確認する。


「ん…」


玲子は小さく息を漏らす。


玲子の女性は、先程と異なり、慎一を迎える準備がすでに出来ていたが、慎一は尚も、玲子の可愛い蕾を口に含み、舌先で愛撫しながら、二本の指先を使って、女性の蕾を中心に優しく撫でて刺激する。


「んん」


玲子は体をよじるが、嫌がる訳ではなく、無意識に慎一の動きに合わせているようだった。


そして、玲子の女性が、充分過ぎる程、準備ができて来たのを確認すると、慎一は、ゆっくりと玲子の脚を左右に開かせ、下半身をその間に挿し入れる。


玲子は一瞬、緊張したように体を強張らせる。


「大丈夫?

 痛かったら止めるし、怖かったら、また、別の機会でもいいからね。」


慎一は優しく玲子の耳元で囁く。


「うううん、大丈夫。」


玲子は小さな声で答えると、目をつぶって体の力を抜く。


慎一は、それを確認すると、玲子の女性を指で触りながら、ゆっくりと下半身を玲子の下半身に近づける。


慎一の男性は、慎一の優しい声とは裏腹に猛り狂っていた。


指で玲子の女性の位置を確認しながら、慎一は男性を近づけていく。


そして、男性が女性に少し触れると、慎一は指を離し、男性を女性にあてがう。


触れた玲子の女性は、温かく柔らかだった。


慎一は腰に力を入れて、男性を玲子の女性の中に埋めこんでいく。


「うぅ」


玲子の口から声が漏れ、男性が最初の入口付近で抵抗を感じたが、その後は、玲子の女性の中にスムーズに入って行く。


「くうう…」


中に入って行くに従って、玲子は苦痛の声を上げて、眉間に深いシワを寄せて、必死に耐えているようだった。


慎一は、玲子の顔を見ながら、嫌がったら止めようと思いつつ、奥深くに埋めて行く。


そして、男性の根元までしっかりと玲子の女性の中に埋まると、玲子は苦痛に顔を歪め、喘いでいた。


「玲子、大丈夫か?

 動かしても、いいか?」


「うう、うん」


痛みを堪えながら、玲子は健気に頷く。


(激しく動かしたら痛いだろうな。

 ゆっくり動かした方がいいかな。

 さて、どうしよう。

 でも、き、気持ちいい!)


慎一は、玲子の中であまりの気持ち良さで、爆発寸前だった。


そして、気持ち、力をセーブして、男性を玲子の女性の中で動かし始める。


玲子は慎一に初めて挿入された時、体が引き千切れるかと思うほどの痛みに耐え、また、ピストン運動で受ける痛みに耐えていた。


(痛い!

 慎一さん、早く終わって。

 そうでないと我慢が出来なくなっちゃう。)


痛みで閉じた瞼をうっすらと涙で光らせながら、自分の上を行き来している慎一に早く終わって欲しいとひたすら願い、我慢する玲子。


(き、気持ちいい。

 もう、いきそうだが、早過ぎると、早漏と軽蔑されるだろうな。

 それは、まずいから、我慢しなければ。)


すぐにでも、玲子の中にすべてを放出しそうになるのを、ひたすら我慢して腰を動かし続ける慎一。


「い…」


(痛い。

 もう、我慢出来ない)


「い…」


(いく。

 もう、我慢出来ない)


奇妙なシンクロをしていく二人だった。


そして、玲子が『痛い!』と声を上げようとした瞬間、慎一はすべてを玲子の中に流し込んでいった。

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