第2話 キャラメルポップコーン、キャラメルかかってないとこはどうやって食うの?って唐突に聞いてきた人が事件の重要参考人だった事件
本日は晴天。そして、休日。事件も何もない休日である。
室田「いやぁ〜、休日は映画に限るな〜」
桃山「だなぁ〜。室田くん。」
室田「桃山さん!?なんでいるんですか!?気持ち悪い!」
桃山「気持ち悪いまで言うなよ!こっちのセリフだよ!なんでいるんだよ!」
室田「偶然ですか?」
桃山「偶然だろ!」
鎌武「あら、二人とも偶然ね」
室田「うわ!」
鎌武「うわってひどいわね。室田くん。どう?プライベートの私服の私。美しい?」
室田「すごい。ディズニーのプリンセスより自信ある人いるんだ。いや、そんなことよりみなさん何見るんですか?」
桃山「ダイジェストスプリンター」
鎌武「私もダイジェストスプリンター」
室田「僕もダイジェストスプリンター。なんでですか!違うの見てくださいよ!」
桃山「なんでだよ。ずっと見たかったんだから。」
鎌武「私もよ。それにしても人気だったわね。私が買ったとき空席もう2つしかなくなってたわ。私の隣の席だったけど。」
室田「え、鎌武さん。何時に来ました?」
鎌武「んー、1時間前くらいかしら。」
室田「あー、なーるほどー。桃山さんは?」
桃山「俺、さっき来た。最後の1席だったわ。」
室田「あー、あー、最悪だ。」
桃山「なんでだよ。」
室田「鎌武さんより後に来た僕と桃山さんが残り2席を買った。その残り2席は鎌武さんの隣の2席。要するに、3人並んで見ることになる。やだーー!」
桃山「推理力上がったな。室田くん。」
室田「いやぁ、まあ、ありがとうございます。じゃなくて、H列の何番ですかみなさん。」
桃山「7」
鎌武「私は9ね。」
室田「僕、真ん中じゃないですか!最悪だ!せっかくの休日が、、」
桃山「なんか家族みたいだな。室田くんが息子で鎌ちゃんが母親で俺が父親。」
鎌武「いやだ、桃山さんたら。もう。」
室田「ラブロマンスいらないんですよ。この刑事ドラマに。」
桃山「刑事ドラマだったのか。月9?」
室田「深夜ですよ。」
桃山「地上波?」
室田「深夜のNetflixです。」
桃山「深夜のNetflixてなんだよ。自由に見れるんじゃないの?あれ。」
室田「深夜1時始まりでそれ過ぎたら見れません。」
桃山「ネットの意味なくない?」
鎌武「なんの話してるのよ。もうすぐ入場して良くなるから、ポップコーンとか買いましょ。」
桃山「そうだな。妻。」
鎌武「いやん。桃くん。」
室田「なにしてるんですか。そういうのいらないんですって。早く買いましょう。」
桃山「なんやかんや言って乗り気だな室田くん。」
室田「僕は映画が見たいんです!」
桃山「はっはっはっ、怒っちゃって。かわいいな。息子よ。」
鎌武「ほんとねぇ。」
室田「それやめろ!もうその設定やめろ!飽きたわ!そして長いんだよ!事件入るまで長いんだよ!おい!桃山!」
桃山「すいません!ておい。室田くん?」
室田「あ、すいません。つい。」
鎌武「元気で何より。塩にする?キャラメルにする?」
室田「え?奢ってくれるんですか?」
鎌武「大きいの買ったほうが安上がりだからね。」
室田「たしかにそうですね。奢ってくれるんですか?」
鎌武「奢るわ。」
室田「やった!浮いた!キャポ代浮いた!」
桃山「ごちそうさまです。」
室田「ごちそうさまです。」
鎌武「桃山さんはなんか納得行かないけど、まあいいわ。キャラメルポップコーンのLサイズください。」
??「あの、キャラメルポップコーンて、キャラメルかかってないとこあるじゃないですか?そこって、どうやって食べればいいんですかね?」
鎌武「え?」
桃山「変なやつだ。無視しとけ。」
室田「そうですよ。無視です無視。」
鎌武「いや、ちょっとまって。この男、なんか見たことある…」
桃山「芸能人に似てるとか?」
室田「確かに、中間的な顔ですもんね。誰にでも似てるっていう。」
鎌武「そういうんじゃなくて、この顔!ほら、あれよ。あの事件の」
桃山「あっ!あれだ!あのー、サトウキビ豚汁作成事件の」
鎌武「違うわよ。なにその事件。気になるわ。ほらあれよ、わかるでしょ室田くん。」
室田「あれですよね。塩田夫妻の次男坊。」
鎌武「塩田カナメじゃないわよ。芸能人の話終わってんのよ。てかなんか私がツッコミになってない?ツッコミは室田くんでしょ?」
室田「オールマイティな室田なんですyo!」
桃山「これが俺の部下だze!」
室田桃山「yeah!」
鎌武「はい!こっからツッコミは室田くんがしてください。」
室田「わかりました。」
桃山「隣の客はよく食べる客だ」
室田「いや早口言葉じゃなくてただの感想!」
鎌武「がんばれ!がんばれ!む、ろ、た!どっこい!どっこい!む、ろ、た!」
室田「公衆の前でそんな大声出して、恥を知りなさい!」
鎌武「ツッコミなの?それは」
桃山「新しいツッコミなのさ。俺の息子、すごいだろ?妻」
鎌武「すごいわ。私たちの息子。」
室田「やめろ!すごく気持ちが悪いんだよ!特に桃山!おっさんだろお前!」
桃山「室田くん?」
室田「すいません、つい。」
桃山「ついどころではないよな?」
室田「すいません。」
鎌武「まあ、いいじゃないの。そんなことよりもう映画始まっちゃうみたいだから、行きましょう。」
室田「そうですね」
桃山「楽しみだな息子よ」
室田「うっせんだよ語りかけんな!ブサイクまるだしおっさん!」
桃山「室田?」
室田「すいません、つい。」
桃山「だから、ついどころではな」
??「おぉぉおおい!」
桃山「エガちゃん?」
室田「江頭さんですね。ちょっと僕サインもらってきます。」
??「ボケ倒すなよ!そんなにボケてたっけ!第一話!」
室田「筆者の勝手です。」
??「そうだけど!」
鎌武「あ!思い出したわ!」
桃山「どした!おとといの夕飯か?」
鎌武「違うわよ。こいつ、ブロッコリー丸山殺害事件の重要参考人で上がってたやつよ!」
桃山「ブロッコリー丸山殺害事件?」
室田「あぁ、ブロッコリー丸山をブロッコリーで毒殺したっていうあれですね。」
桃山「ブロッコリー毒あんのか?」
鎌武「ブロッコリーはね、マヨネーズをかけると毒になるの。そういうものなのよ。」
桃山「で、こいつが重要参考人?なぜここに?」
室田「桃山さんて、なんにも知らないですね。」
桃山「知ってるけどね。知ってる。知ってるから。何言ってんの。わかりやすくやってあげてるだけだから。」
室田「なるほど。読者にわかりやすくしてるんですね。尊敬します。桃山さん。」
桃山「まあな。」
鎌武「こいつはね。署に同行してもらおうとしたら逃げたのよ。それでずーっと捕まえられなくて、捜査が前に進んでないって言ってたわ。室田くんが。」
室田「はい。」
桃山「え?てことは室田くん。知ってたの?知ってて知らないふりしてたのこいつのこと。」
室田「はい。」
桃山「こっっっっわ。こいつより室田くん捕まえたほうがいいんじゃないかな。」
室田「そんなことはないですよ。」
桃山「自分で言うことでもないけどな。」
??「前に話進めろよ!なっがいわ!どんだけ待ってなきゃいけないんだよ!もうめんどくさ!長すぎ!テストかよ!無の時間かよ!勉強しなさ過ぎて時間みじかってなる時もあるけど!それにしてもなげーよ!もうはやく連れてってくださいよ!連行しろよ!俺が犯人だよ!」
桃山「えー。なにそれー。」
??「なんだよ!自白してもいいだろ!」
桃山「いやいいんだけど、なんか事件性みたいなの欲しかったわ。」
室田「本当に、あなたがやったんですか?」
桃山「お!それよ!それ!」
??「やったよ!俺が殺しました!逮捕してくれ!」
鎌武「悪いんだけど。それは出来ないわ。」
??「なんでだよ!」
鎌武「死んでなかったのよ。被害者の方。」
??「え?」
鎌武「ブロッコリーにマヨネーズかけたら毒になるわけないでしょ!」
桃山「やっぱそうだよね。」
室田「さっき桃山さん、信じてましたよね?」
桃山「いや、あの、あれよ。嘘だよ嘘。」
室田「そうですよね。よかったです。」
桃山「お、おお。」
??「結局俺はどうなるんだよ。」
鎌武「なんの罪にも問われないわ。あなたはただ、マヨネーズをつけたブロッコリーを食べさせただけなんだから。」
男は膝から崩れ落ちた。
??「そう…か…。よかった…。あんた、名前は…?」
鎌武「通りすがりの科捜研の女。鎌武ミコトよ。」
??「鎌武さん…。ありがとう…ございました。」
男は映画も見ずに颯爽と帰っていった。
桃山「なんか鎌ちゃんが主人公みたいになってなかった?」
室田「あの男、名前なんでしたっけ?」
鎌武「わかんない。ずっと、??のままね。事件だけに。」
室田「あはは」
桃山「え、鎌ちゃんが主人公みたいになってない?え?」
鎌武「大丈夫。桃山さんが解決したってことにしとくわ。」
桃山「それもなんか主人公っぽいけど、ありがとうございます。」
こうして、被害者がなんで殺されたことになったのかは説明されない事件が解決?したのであった。
桃山「付け足して。」
またしても、桃山刑事によって解決?したのであった。
次回の全部解決‼桃山刑事は、「おしぼりで顔拭く人が好きになれなくておしぼりをキンキンに冷やした事件」だよ。お楽しみに!
全部解決‼桃山刑事 さとうたいち @taichigorgo0822
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