四日目
「なあ、これって何なんだ?」
「ん?どれどれ」
俺はカレンダーを指差して聞く。カレンダーには8月の初めから一週間ごとに枠が赤く塗られている。そして何故か8月35日まである。
あれ?35までだったら今日は32か?
「私も分からないんだよね、自分で塗ったわけじゃないし」
確かに、赤くなったと言うよりもともと印刷でこうなったような感じだ。
「俺が来る3日前から居たんだろ?この赤い丸の日に何かなかったか?」
「うーん、特に何にもなかったけど」
「ならこの赤い印は何なんだ」
「別に良くない?あと3日でもう一回来るし、その時確かめれば」
「そうだよな、今悩んでてもしょうがないよな」
彼女が話題を打ち切る。
まあ、そのうち謎は解けるだろ。
「ロッキーあげるから、限定タクアン味好きでしょ?」
「俺好きって言ったか?あんたはずっとそれ食べてるけど……」
「言ってたよ、2日目の時に私がロッキー出して渡した時好きだって」
「まあいいか、一本いるか?」
「いや、私それ嫌いだし」
「じゃあ何で食べてるんだよ」
「雰囲気かな?」
「どんな雰囲気だよそれ」
何日経っても不思議なやつだ。
「でもまだ4日しか経ってないんだよな」
「ん、そうだね。もう4日だもんね」
「それ同意してるように聞こえるけど、同意してないよな」
「気のせいじゃない?そんなことよりこれ見てよ」
そう言った彼女を見上げる…………見上げる?
「まじか!」
彼女はフワフワと宙に浮いていた。見た感じ2メートルは飛んでいるだろう。
「ふふ、いいでしょ」
「どうやってるんだ?」
「こう、何だろうね。ここは夢だってしっかりと認識して何でもできるって思うことかな?」
「ここは夢だ!」
「口に出せって意味じゃないんだけど……」
「え、そうなの?」
「あはは、やっぱり中学生じゃん!」
彼女はいつでも楽しそうだ。でも、その楽しそうにする内容が毎回俺の失敗なのは良くない。俺が魔法を使えるようになったら覚えておけよ!
「また中学生みたいな顔してる!どうせまた魔法を使うとか考えてたんでしょ!」
「し、してねぇよ!」
「思いっきり図星じゃん!」
彼女が大笑いする。少し気に入らないのもあるが、こんな夢がいつまでも続いて欲しいと思ったが、心の底で赤い印がずっと引っかかっていた。
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