…3ノ月23ノ日…


…3ノ月23ノ日…

 旅への同行を許してもらう条件その2。

 お母さんとの連絡手段を作れ。


 そんなの、手紙でもなんでも、いくら田舎の村とは言えあるんだからいいんじゃないのって思ったけど、旅の目的が薬を探す事なら、いくつも国をまたぐのだって不思議じゃなくなる、そんな時、手紙をその辺の輸送業に任せたら、連絡なんてままならない状態になるって、アムールさんは体験したかのように、わかりやすく教えてくれた。

 確かにそうだと、私も思う。

 私からお母さんに対してはできても、その返事をもらうために、私はどうするのかって話だし。


 情報は財産だとも言いながら、連絡手段の確率は絶対だと、アムールさんは熱弁する。


 それに、旅に付いて来るにあたって、食い扶持を稼ぐ必要もあるし、本来、村で稼ぎ、家の生活を豊かにできた事を、村を出た事でできなくなる。

 稼ぎ、その金銭を村に送り届ける手段も必要だと。

 それができるのならやりたいと思うけど、いくら輸送業を生業としている人に依頼したとしても、お金事態を運ぶ対象にするのは難しい。

 有名な所はそもそも危ないからと断って来るし、承諾してくれたらしてくれたでそのお金を盗まれる事もある。


 アムールさんの言う事は、そうだよねって納得できるし、その部分はできないと半ばあきらめていた私としては、それが可能になるなら願ったり叶ったりだ。


 それを可能にするのは魔法だ。

 アムールさん直伝、動物を自分の使い魔にする魔法。

 正直、薬草を作るよりも、大変かもしれない。

 魔法のまの字も体験した事の無い私だ。

 大変かもしれないなんて、一言で終わらせられないよ。


 今の所、出来なさ過ぎて先が見えない。


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