…3ノ月22ノ日…


…3ノ月22ノ日…

 許可が出た事で、緊張の糸が少しだけほつれたのか、今日はすごい疲れ気味。

 許可をもらうためとはいえ、普段やらないような力仕事も率先してやったから、その反動で腰が痛くてしょうがない。

 その腰を庇ってさらに頑張れば、また別の所を痛めるんじゃないかと、ヒヤヒヤしながら、しばらくは生活していく事を強いられそうだ。


 でも私は腰痛にめげない。


 お爺ちゃんやお婆ちゃんたちが、腰が痛いと嘆く理由を、自分の身を持って体験する事にはなったけど、それでも足を止めている暇は無いの。


 アムールさんに旅に付いて行く事を許してもらうにあたって、いくつか条件を出された。

 その1つを、今日は頑張って練習をした。

 それは村が収入を得るために行っている売り物を作る事。

 万国共通でどこでも商品価値を獲得できる傷薬を、最初から最後まで、作るのを絶賛練習中だ。


 もちろん、子供の頃から手伝いで作って来たモノ、万事抜かり無いって言いたかったんだけど、基本的に部分部分で手伝いをしてきただけで、全部を自分だけでやる事は初めてだった。


 いくつかの薬草を刻んで、それを鍋で煮込んでいくのだけど、水分が抜けてからが大変。

 焦げ付かせないように火加減を気にしながら、焦がさないように混ぜる手を緩めず、延々とかき回し続けるのがもう…。

 それをいつもお母さんが担当していた。

 教わる事はまだまだいっぱいありそう。



 明日はたぶん腕が筋肉痛だ。


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