…3ノ月18ノ日…
…3ノ月18ノ日…
お父さんを、ケガをした人たちを、魔物の毒からどうすれば助けられるのか、ずっと考えている気がする。
薬を手に入れてそれを村に持ち帰る、それはもういままでに考え付いていた事だけど、今悩んでいる理由はそこじゃない、その結果をどうすれば村に持って来れるのかだ。
助ける手段は絶対にある…なんて、声高らかに訴えたって、現実味のない虚言だ、最近そう感じるようになってきた。
空回りする気持ちが、日々下へ下へと沈んでいく感覚、その感覚が余計に気持ちを逸らせる。
その前へと出て行く気持ちに追いつこうと、必死に追いかけた結果が、アムールさんに言われた言葉だ。
いつも見えていたのに、見えなくなっているモノに、目を向けなくてはいけない。
見えなくなる程に、当たり前のようにそこにあるモノ…。
そこにあったモノを失わないための足掻きだけど、その結果、そこに残っていたモノを失ってしまったら…。
この数日、その事を考えていると、頭に浮かんでくるのは、お父さんとお母さんと私、3人で楽しく生活している思い出ばかりだ。
なんで…とは思わないよ。
それが答えだと思うから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます