…3ノ月18ノ日…


…3ノ月18ノ日…

 お父さんを、ケガをした人たちを、魔物の毒からどうすれば助けられるのか、ずっと考えている気がする。

 薬を手に入れてそれを村に持ち帰る、それはもういままでに考え付いていた事だけど、今悩んでいる理由はそこじゃない、その結果をどうすれば村に持って来れるのかだ。

 助ける手段は絶対にある…なんて、声高らかに訴えたって、現実味のない虚言だ、最近そう感じるようになってきた。


 空回りする気持ちが、日々下へ下へと沈んでいく感覚、その感覚が余計に気持ちを逸らせる。


 その前へと出て行く気持ちに追いつこうと、必死に追いかけた結果が、アムールさんに言われた言葉だ。

 いつも見えていたのに、見えなくなっているモノに、目を向けなくてはいけない。

 見えなくなる程に、当たり前のようにそこにあるモノ…。

 そこにあったモノを失わないための足掻きだけど、その結果、そこに残っていたモノを失ってしまったら…。


 この数日、その事を考えていると、頭に浮かんでくるのは、お父さんとお母さんと私、3人で楽しく生活している思い出ばかりだ。


 なんで…とは思わないよ。

 それが答えだと思うから。



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