…3ノ月05ノ日…


…3ノ月05ノ日…

 お昼頃に、魔物討伐に出ていた人達が戻ってきた。


 村に戻ってきてくれた皆。

 その先頭に立っていたアムールさんが、第一声で魔物2頭を倒したと、皆に聞こえる声で報告をしてくれた。

 その瞬間、肩の荷が落ちたような、そんな気がした。


 魔物に襲われた後、姿の見えなかった人は3人、その内2人は魔物がねぐらにしていた場所で息を引き取ってたらしい。

 そして最後の1人、私と同い年のミズリ、彼は左手を失いはしたけど、何とか一命をとりとめた。


 昨日の日暮れ前には魔物を討伐できたみたいだけど、すぐに暗くなるのと、ミズリがいるという事で、大事を取って、彼にできる限りの治療をして明るくなるのを待ったそうだ。

 連絡役に、村へ誰かを返す事も考えたみたいだけど、用心のために1人にはさせられないって、全員で日が昇るのを待ったみたい。


 なんにしても、ミズリが生きていてよかった。

 亡くなった人は残念だけど、助かった人もいる。

 悲しみはあるけど、今は喜びを感じていたい。


 もう二度と、こんな悲しい事が起きるのはイヤ。


 戦い方や魔物の事、私達は知らなさすぎる。

 アムールさんに村長が無理を言い、村に滞在中、魔物の事や対処法を教えてもらう事になった。


 教えてもらう勉強には、私も手を上げた。

 こんな事があったんだ、お母さんにも女だからとは言わせない。


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