第1話 打倒流星!?頑張れヤンキー学級委員長2

始業のベルが教室に鳴り響いた。

生徒達が席に着くと、教壇の前に大きなお腹をした教師が、出席簿を持ってやってきた。


彼は開口一番に


「はいどーも青木駿でーす。」


とかったるそうに言った。

出席簿を教壇の下に入れると、あたりを見て

「全員出席。」

とだけ言って携帯を取りだした。


「…あ、そーいやクラスできて早々だけど、学級委員長を流星に押し付けてぇんだけど、お前らそれでいいよな?」


流星は目を丸く開けると、席を立つ。


「はぁ!?なんで俺!?」


先生は大きな溜め息をついた。


「え、逆になんでお前学級委員やらないの?」


教室のみんなが縦に首をふる。

流産が大きな溜め息をついて答えた。


「まず俺はやりたくねぇし。去年もお前に学年首席だからって、無理やり押し付けられたし、それに今年は、夢もいるんだぜ?夢も去年の学級委員であらゆる行事で優秀賞を数多くとった成績もあるんだぜ?夢がよくね?」


流産がそういうと、青山は頭をかいた。


「こいつのクラスほとんど夢の手柄だろ?実力だけなら1年の時の俺のクラス以外手も足も出なかったからな。そんな中で、お前の計算高い策略と、実力を上回る程の団結力でこいつらのクラスと張り合うことが出来てた。そんなお前だからこそ、皆お前を支持すんじゃねぇの?」


流星はぐっと唇を噛み締めて少し怯んだ。

そんな姿を見て、青山は顔をにやりと口角を上げた。


「あっれれ?それとも学級委員長やって、敵無しのこのフィールドで?1度でも負けるのが怖いとか?wだっせぇwwお前まじだせぇよ?w」


流星は図星を疲れたかのように顔を真っ赤にして、机を叩いて立ち上がった。


「上等だよ!俺がこのクラスの学級委員長になってや…」


そこまで言うとすると、後ろからドス黒い男の声が聞こえた。


「そんな嫌ならさ、俺がやってやるよ。学級委員長…」


振り向いてみると、先程別のクラスで、ヤンキー達の中心にいたボスが声をだった。

青山は目を点にした。そして口角が崩れて、苦笑いをした。


「えぇ…?w」


青山の顔を見るなり、席をたち、へらへらと教室を見渡した。


「やっぱり学級委員長やりたいやつがした方がいいって思うよな。皆…」


怯えている眼鏡の少女をヤンキーの男子は睨みつけた。少女は下を向いてぐっと手を握りしめた。震える声をふりしぼり、言葉を出した。


「私は…黒崎くんが学級委員長がいいと思う…やっぱり、学級委員長は、自分からやりたいって言う人に任せたい。」


クラスの空気がよどんでいく。暗くなるクラスの雰囲気を見て、眼鏡の女の子の背中を私は撫でて微笑んだ。


「大丈夫。嘘をつかなくてもいいんだよ?」


私は震える彼女の手をそっと握り、ゆっくりと目を見つめた。


「そんなに震えて…本当は沢山嫌な事があったんだね…今まで良く頑張ったね。」


少女は震えた体から、力がゆっくりと消えていく。目から涙がこぼれ、私に抱きついて来た。黒崎というヤンキーのボスが私を睨みつけた。


「お前は…あいつの味方なのか…?俺にたてついたらどーなるか…わかってんだろうな…?」


私は彼女から手を離すと、ゆっくりと立ち上がった。


「確かあなた、前の特進クラスの学級委員長ですよね?貴方がどんな方かは、知っていますよ。」


不敵な笑みを見せた黒崎はくくっと笑った。


「へぇ〜特待クラスの人に覚えてもらえたなんて…すげぇうれしぃねぇ〜」


「特進クラスから特待に上がる程の人ですからね。噂にもなってますよ。」


私は目を座らせ、彼に凍てつく様な声色で耳に突き刺した。


「貴方が特進クラスの頭のいい子達を次々といじめ倒して、辞めさせたことを…!」


黒崎が狼狽え、後退りする中、私は目を瞑りにこりと笑いかけた。


「まぁ、過去の事ですからね。今までのことを取り上げてしまいすみません。でも、お忘れなく…」


黒崎が真っ青な顔で周りを見渡すと、黒崎の後ろには夢が椅子の上に座りながら、目を光らせる。叶が横からボイスレコーダーを手に取っており、希望は手に日記を持っていた。反対側の横には蛍が動画を撮っており、私の隣には、形相な顔をした流星が私の肩に手を置き、隣に立っていた。


「私達星空バスターズは、このクラスの人を傷つける者に、学級委員長を任せるつもりはありません。」



次回…黒崎の思惑や、家の事情を知る…!


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