お布団の中で
「このおっぱいは私のだぁー!」
「ひゃあっ?!」
「ちょっ、綺月ちゃん?!」
「私達幼馴染なのになんで二人はこんなに大きくなって私はぺったんこなのぉぉぉ……」
「ち、ちよよーん……」
「まぁ、うん。暫くはこのままだねぇ」
すっかり夜も更けていつも寝る時間から何時も経った夜中、久しぶりのお泊まりが本当に楽しかったのか、すっかり場酔いしてしまった綺月ちゃんに俺と叶奈ちゃんは好き放題されていた。
「うぇへへへへへへへ、ちよちーはぷにぷにでかなちーはふにふにだぁー」
うーん逃げられない。綺月ちゃん意外と力強いんだよなぁ……というか……
「やっぱ人によって胸の張りとか柔らかさも変わるもんなのかなぁ?」
結構柔らかさには自信あったんだけど……見た感じ叶奈ちゃんの方が柔らかそうだ……
「後で揉み合いっ子してみるか?」
「流石に遠慮する」
なんせ中身は男だしな。そういった気持ちで触るのはアウトですことよ。でもまぁ……
「女の子としては憧れるよなぁ……大きいの」
「叶奈からしたらちよよんの方が女の子らしくて……正直憧れてるぞ!」
「そ、そう?」
そう言って貰えるのはなんだか嬉しいなぁ。
「んまぁ、私としては叶奈ちゃんみたいな人に憧れるてるんだけどね」
「えぇ?自分で言うのもあれだけど叶奈って全然女の子らしくないぞー?」
「正直、今の私ってすっごいお姉ちゃん達と母様に影響受けててさ。元はすっごい男の子だったんだぞー?」
もう夏は肌着にパンイチだったし、そんな格好で胡座かいたり足であれこれやったりとか行儀最悪だったとかいう、というかそれ以前に男そのものだったしな。
前世で同じくらいの時期を過ごしていた俺の姿を思い出した俺は、叶奈ちゃんにそういいながらあの頃は酷かったとケラケラ笑っていたのだった。
「二人共ぉ!私の事無視してもりあがらないでよぉ!」
「ごめんごめん」
「みやみやごめんー」
「むー!もっと二人のおっぱいに埋もれてやるー!」
ーーーーーーーーーーーーーー
「かー……すー……んまぁー……」
毎度の事ながら相変わらず叶奈ちゃんって寝てる時ちょっとうるさめなんだよなぁ……
「ねぇ、ちよちー起きてる?」
「んー?綺月ちゃんやっと酔い冷めたー?」
「うぅ……言わないでよー……」
「あはは。それじゃあ私寝てるからー」
「起きてるじゃん!おもいっきり起きてるじゃん!」
「なはははは」
あれからもう数時間後、流石に叶奈ちゃんがこっくりこっくりとしだした事もあり、電気を消し布団に入って暫く経った所で綺月ちゃんに声をかけられる。
「ねぇちよちー、さっきの話だけどさ?」
「さっきの話?」
「うん、昔は男の子だったんだぞー?ってやつ」
あー、あれかぁー……もう殆どネタみたいな感じで言ったけどやっぱやばかったかなぁ。
「前から思ってたんだけどさ、ちよちーってなんだかちょっと違うよね?」
「違うって……何が?」
「なんというかさ、なんて言えばいいんだろ?女の子をしてる女の子、みたいな感じ」
「……なにそれ。冗談でも微妙だよー」
「ごめんごめん。でもさ、なんだかちよちー前までずっとそんな感じでさ、いつもはなんとも思わないんだけどふっとした時に違和感があったんだ」
「…………そっかぁ……」
この時代に女の子として生を受けて十三年、我ながらいい具合いにやってきたと思ってはいたけど……そっかぁ……
すぐ横で叶奈ちゃんの寝息を聞きながら、綺月ちゃんからそう告げられた俺は自分でも思った以上にダメージを受け、思わずそんな事を思ってしまう。
しかし……
「でもね、最近のちよちーはなんて言うか、凄くスッキリしたね」
「というと?」
「こう、吹っ切れたって言うのかな?さっき言ったみたいなのが無くなって裏表が減った感じ?」
「……ふーん」
「……私ね、昔のその不思議な千代ちゃんも好きだったけど、今のその正直な千代ちゃんも好きだよ。今回は誰かさんに先取られちゃったけど、これからもしまた困った事があったら遠慮しないで頼ってね?」
「……ん」
そう綺月ちゃんに言われた俺は、そんな曖昧な返事を返しつつも、なんだかあったかな気持ちを抑えることが出来ず、顔を赤らめつつも口角が上がるのを止める事が出来なかったのだった。
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