皆で水遊び
「今年もやってきたぞー!」
「「わーい!」」
あの三人は今日も今日とて元気だなぁ……
「千保お姉ちゃん!それに二人共ー!ちゃんと川に入る前にストレッチしてから入るんだよー」
「「「はーい!」」」
あれから少しだけ時は流れ、暑く眩しい日差しにキラキラと輝く水が心を躍らせるそんな季節、既に夏休みへと突入した俺達三姉妹といつものメンツで今日は川へと水遊びに来ていた。
「ほんとに聞いてたのかなぁ……」
「千代ちゃん千代ちゃん」
む、この声は……
「どうかな?似合ってる?」
「うん!似合ってるよ千胡お姉ちゃん!」
やっぱりお姉ちゃんは青色系が似合うなぁ!これ選んで正解だったよ!
「えへへへへ、ありがとうね。でもやっぱり良かったの?私の水着まで買ってくれて……」
「なーに言ってるのさー!確かに千胡お姉ちゃんの分の水着買ったからプールには行けなくなったけど、おかげでお昼には父様母様がバーベキューやりに来てくれる事になったんだから!」
「でも……」
「それに、私の水着姿が見たかったんでしょ?ならお姉ちゃんも水着用意しないと……ね?」
「ったくもうこの子ったら……よし!それじゃあ私も楽しまなきゃね!」
そういうと千胡お姉ちゃんは俺がこっそりと買い、ついさっき手渡した水色の布地に少しだけ白いふりふりがついたオフショルダーと呼ばれるビキニ姿で先に行った三人の方へと行くのだった。
「おーいまだダメかー?」
「流石に林の中で放置したままは暑いよ花宮さーん」
「あーごめんごめんー!えーっと……」
皆の洋服はちゃんと下着とかも隠れてるし、それも衝立代わりの布で包んで結んで隠してあるね。よし!
「もう来てもいいよー!二人共待たせてごめんねー!」
「お前なぁ……確かに女子が着替えるから仕方ないけどさ……着替えの事考えてなかったからって林の中に待機させるのは流石に酷いと思うぞ?なぁ大和」
「俺は別に花宮さんのお願いなら……」
「やめろやめろ!そんな顔を少し赤くするな!」
「あはははは……」
もしかして神井君ってそっち系の気質でもあるのかな?
「……あー、所で千代。その、似合ってるな、その水着、えーっと可愛くて」
「そう?ふふっ、ありがとう礼二」
礼二に褒められ、笑顔を浮かべて上機嫌そうにニコニコしながらお礼を言う俺は、ライトグリーンの布地を白い線で縁どり、上や下の布が少ない前や横に少し大きめのリボンがあしらわれた百合の柄が可愛いパレオビキニ姿だった。
前はこんな下着と変わんないような服装でとか信じられなかったけど、今にして思えば男の時の水着もパンイチみたいなもんだったし、別におかしな事は何も無かったんだよなぁ。
「それじゃあ二人共、皆先に行っちゃってるし私達も行こっか!」
「お、おう!」「分かった!」
うむ、相変わらずいい返事だ!よーしいっぱい遊ぶぞー!
「……なぁ大和」
「……なんだい桜ヶ崎君」
「千代ってさ……やっぱ意外とでかかったんだな」
「水泳の授業で遠目に見た事はあったけど……まさかあんなに大きいとは……」
「おーい二人共ー!早くおいでよー!」
「お、おう!今行くー!」
こうして、夏休みの最初の一ページは賑やかに過ぎていくのであった。
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