第一次お風呂問題
令和の時代に生きていた俺がこの時代に何故か転生タイムトラベルし、転生したら女に産まれ変わってたりしたがこの家で過ごし早三年、今の俺はというと───
「あのね父様!あたし今日お絵描きしたの!」
「おぉ、やるじゃないか千胡。後で見せてもらうとしようか」
「はーい!」
「おい千保!飛行機作るからその折り紙1枚よこせよ」
「やだ!紅葉ついてるやつウチのお気に入りなんだもん!」
今日も賑やかだなぁ〜。
完璧に順応していた。
「んでじいちゃんはいっぱい人を助けたんだ」
「おー!じいちゃんすごい!」
やっぱりじいちゃんの話は聴き応えがあって楽しいな、こんなにごっつい体格だしやっぱりどれもこれも実際に体験した事なんかな?
「はっはっはっ!そうだろう千代?さて、一恵さんそろそろじゃないかい?」
「あら本当、ありがとうございますお義父さん。ほら皆、準備始めなさい」
「「「はーい」」」
時間?準備?今日なにかあったかなぁ……
ドタドタと母様の一言で姉達が準備を始めたのをみて、俺がそう思いつつ壁掛け時計を見ると時計は7時半を刺しており、俺は今から何があるのかを理解する。
俺はいつも父様か母様に家で体洗って貰ってたからあんまり意識してなかったけど、そういやこの時間は皆銭湯に行ってたっけ。
「私も用意しないと」
「それじゃあ準備出来たら教えてくれ。千代はどうする?」
「今日は千代も一緒に連れていこうかと思いまして。初出も済ませましたから」
おぉ!ということは!?
「お、とうとう千代も今日から銭湯か。よかったな千代〜、今日からお風呂屋さんの広いお風呂でお風呂だぞ」
ですよね父様!いやーよかったよかった!
毎日綺麗にお湯で濡らしたタオルで洗って貰えてたとはいえ、そろそろシャワーとか浴びたかったんだよー!
「それじゃあ千代、お風呂の準備するから来なさい」
「はーい!」
数年ぶりの風呂という事ではしゃいでいた俺はそう元気よく返事をすると、意気揚々と母様について行くのだった。
とても大事な事を忘れている事に気がつくことも無く。
ーーーーーーーーーーー
「えと、あの、ちよはとーさまとおふろはいりたいなーって」
そっちの方が精神的に正しいし?というか俺が入るのは問題があるかなぁーと、そのほら、中身がね?
「そう言ってくれるのは父様としては嬉しいが、千代は女の子なんだから女湯の方に入らないとね?」
「やーだー!」
俺は宥めようと頭を撫でる父様の足にしがみつき、イヤイヤと首を振りながら女湯に入る事を避けるべく今この体で出来る全力をもって抵抗していた。
「千代がわがままなんて珍しい…………じゃなくて。わがまま言わないの千代、浩さんを困らせてはいけません」
「ちーよ、お姉ちゃん達と一緒にお風呂入ろ?」
「ウチも千代と洗いっこしたいなー」
「むー!」
確かにもうこの姿になって三年だ!自分の体ならもう見慣れた物だけども、母様ならともかくJS未満のお子様と一緒は倫理的に問題大ありだ!放送禁止所か一発アウトだよ!
というか俺みたいな彼女いない歴イコールが女湯に立ち入ってみろ!即大爆破だぞ!
「はぁー……仕方ないわねぇ…………浩さん千代をお願い出来ますか?」
「!」
「まぁ、最初だし仕方ないな。ほら千代、父様が一緒に入ってあげるからね」
「やったー!」
俺の粘り勝ちー!いやーよかったよかった!危うく大爆破する所だったよぉおおっ!?
喜びのあまり思わず両手を上げて万歳してしまった俺は、その隙にひょいっと母様に脇を抱えられ持ち上げられる。
「な、なにっ!?かーさま!?」
「ごめんなさいね千代、でも貴女が離さないからこうするしかなかったのよ」
「んぬぬぬぬー!」
がっちり持ち上げられて逃げられないぃぃぃい!父様ヘルプー!
「ごめんな千代、せめてお風呂は楽しんでおいで」
「んなっ!?」
まさか父様まで母様のグルだったのか!?
助けてと言った目で父様を見ていた俺に、父様がそう謝って来た事により、俺はまさかという驚きでパタパタと暴れさせていた手足をピタッと止める。
そしてその瞬間を母様が逃すはずもなく──────────
「それじゃあお風呂に行きましょうか、ねー千代」
「あっ、ちょっ!?やだあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ…………」
俺は女湯へと連れていかれたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます