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 Aは、パロの友人たちに言った。

「もうよろしいのです。あなたがたは、その先を言う必要はありません。だいたいのことは、察しがついていますから」

 パロの友人たちの代表は言った。

「わたくしどもは、パロに、取り返しのつかない罪を犯しました。あのあめんどうには、毒なんか塗られていなかったのです。それを、わたしどもは、あの女の口車に乗って……」

 パロの友人たちは、こらえきれず、大声を上げて泣いた。Aと、その場にいたAのしもべたちも、うつむいて、涙を流した。パロの友人たちの心中を思うと、泣かずにはいられなかったからである。

 うつむいたまま、ひとしきり泣くと、Aは顔を上げて言った。

「わたしは、行って、その女を滅ぼそう」

 Aのしもべたちも、怒りに燃えた眼で、Aの言葉に同意した。

 パロの友人たちが泣き止むのを待って、Aはかれらに聞いた。

「その女がどこの誰か、あなたたちには見当が付きますか?」

 パロの友人たちの代表は、Aに答えて言った。

「はい。わたしどもも、パロが死んで後、その女のことが気になって、どこの誰か調べようとしました。わたしどもは、それこそ、血眼になって、何年かかっても、何十年かかっても、その女が誰か調べるつもりでいました。しかし、その必要はありませんでした。わたしどもが努力するまでもなく、すぐに調べがついたからです」

 Aは、パロの友人たちに聞いた。

「その女とは誰ですか?」

 パロの友人たちの代表は言った。

「Lの女です」

 そのとき、Aのしもべたちの体は、雷に打たれたようになった。

「Lの女ですって!?」

 Aのしもべたちのかしらの一人、ユキトが、Aに小声で言った。

「主よ……。さすがに今回ばかりは、相手が悪すぎます。魔女が相手では、わたしどもの戦力では、とうてい太刀打ちできません」

 同じく、かしらの一人、ガルガンチュアも言った。

「わたしもユキトと同意見です。あの魔女に逆らって、滅ぼされなかった部族はないと聞きます。一時期、あれほど巨大な勢力を誇っていた、あのスキュラでさえ、あの魔女の不興を買ってしまったばかりに……。たったの三日です! たったの三日で、あの魔女の軍勢に滅ぼされてしまったのです!」

 Aは、Aのしもべたちに言った。

「ひるむな、しもべたちよ。何をそんなに震えて、縮み上がっているのだ。あなたたちは、これまで、余の近くにいて、いったい何を学んできたのだ? さあ、立て。そして、見よ。いま、おまえたちの眼には、何が見える? おまえたちの眼には、打ち倒すべき敵の剣に倒れる、余の姿が見えるか? 打ち倒すべき敵の前に平伏し、哀れにも慈悲を請う、余の姿が見えるか? さあ、行こう。われらの敵を滅ぼしに行こう。余の眼には、われらの前に平伏し、哀れにも余の慈悲を請う、おろかな魔女の姿が見える」

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