明け方の散歩

ユラカモマ

明け方の散歩

 私は明け方の散歩が趣味である。なんせ夜型人間であるため明日は休日と浮かれていて気づけば朝5時ということもままある。そんなときそのまま寝てしまってもいいが寝るには少し力が余っているというときには着替えて朝の散歩に出かける。

 明け方の散歩は清々すがすがしい。朝の日差しは一日の中でも澄んでいて身が浄められるようである。特に夏の明け方は唯一まとわりつくような暑さを感じない時間であるので好きである。散歩の目的に自販機を置いてコーヒーの一缶でも飲めばそれだけで幸せな心地が味わえる。あるいは川を目指し人気ひとけのない遊歩道を一人占めするのもこれまた楽しい。早朝は日があるのに人も車も少なく特別な感じがする。ただ浮かれて鼻歌など歌っていると犬を連れた早起きのおじいちゃんに見つかってしまうこともあり注意がいる。徹夜明けに早起きの人に合うと罪悪感にかられていしまう。なら早く寝て早く起きればという話だがそれが私には難しい。

 この趣味に目覚めたきっかけも牛丼屋のバイトの夜勤明けに朝日が登るのを見ながら帰ったことである。牛丼屋のバイトの夜勤の終わる時刻は日によって変わるが早ければ日の出前の3時4時、遅ければ日の出きった9時10時であった。夜勤は主に夏休み中にしていたため終わりが4時だと帰りしなに日の出を拝むことができた。店の窓から見る日の出もそれはそれで乙なものだったが仕事に気をとられていると知らぬ間に日が出てしまうこともありやはり仕事終わりの方が日の出を見るに適していた。今はもうバイトは辞めてしまったが明け方の散歩に出ると今でも当時の忙しさを思い出して一人笑ってしまうこともある。

 私の散歩は基本朝8時、遅くとも9時には終わる。なぜならその時間には児童・生徒が登校し出すからだ。理徹夜明けに見る青春の輝きは目が眩むほどまぶしい。たまに7時頃でも朝練に向かう中高生にかちあうことがある。そんな彼や彼女らは例え眠たげな面持ちであっても殊更に輝いて見える。

 ただ最後に言っておくが徹夜というのはやはり体によろしくない。きちんと夜寝て朝起きる生活をしていないと三食食べて睡眠時間をしっかり確保していても次第に体が壊れてくる。だからもし明け方の散歩をするにしても徹夜を習慣づけるのはお勧めしない。ただもし散歩に出るならついでに24時間営業の牛丼屋の朝定食を食べると帰ってぐっすり眠れるだろう。私は元バイト先の納豆牛小鉢定食がお気に入りだ。

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明け方の散歩 ユラカモマ @yura8812

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