アンデッドはなぜ怖い? 前編・ホラーの本質
生きている方も、そうでない方もこんばんは。
気付いたら積みゲーがスゲー増えてた私です。
「DARKSIDERS GENESIS」(※1)を買ったはいいんですが調子に乗って「ペルソナ5 スクランブル」とか「アンダーナイトインヴァース」(※2)とか買いまくった結果ですね。
これに来月「あつまれどうぶつの森」、再来月は「もじぴったんアンコール」が追加されます。
どうしたらいいんでしょうか。
ちなみに格ゲーは好きですが熱帯に入るのが怖いのでだいたいトライアルモードでコンボ研究という変態みたいな楽しみ方をしています。
楽しけりゃいいじゃない、なんでも。
ちなみに好きなキャラはヴェノム(※3)です。いえアメコミの方ではなく。
アンデッドの話をするはずがなぜ積みゲーの話をしてるんでしょうね私は。
で、今回のテーマは「アンデッドはなぜ怖いのか」。
時にみなさんは、ホラーの本質はなんだと思いますか?
グロ?
ビックリ系?
それとも陰影?
私は「主客転倒」だと思います。
「主客転倒」とは「物事の順序や立場が逆転すること」「主と客の力関係が逆転すること」を意味します。
要は下克上みたいなもんです。
より正確にいうなら、「知っているもの(主)が知らないもの(客)になる」という主客転倒が一番怖いのです。
それこそがホラーのキモであり、アンデッドが怖い理由の一つだと私は考えます。
例えるなら、怪談の定番・トイレの花子さんは、
トイレ→主
人間→客
という関係が、花子さんの登場によって主客転倒するのです。
本来トイレを使う、トイレより上の立場にある人間が、花子さんが出てくることによって、トイレに恐怖する、トイレより下の立場になるということです。なんか汚い話になってしまった。
他にも、志駕晃氏の推理小説「スマホ落としただけなのに」は、「スマホを落とした結果、拾ったヤツがとんでもねえやつで、スマホと人間の主客転倒が起きる」話です。しかし、自分の写真を待ち受けにするとかすげえですよね……。
ホラー映画で、電子機器が勝手に止まったり、テレビやラジオが不吉な音声を流し始めたりするのは鉄板ですし。こういうので洗濯機や掃除機が暴れ始めるのとかはあんまり見たことないなあ……
と、このように、わかりやすく読者を恐怖に陥れるには「主客転倒」が重要なのです。だから、私はホラーの本質は「主客転倒」だと思います。
特にアンデッドはわかりやすく主客転倒が起きており、
生→主
死→客
この主客が逆転した結果、「死んでいるはずなのに生きている」という状態になるのです。
しかも「死→客」は非常に強固な結びつきであり、一度死んでしまえば絶対に主客転倒はしないはずなんです。
アンデッドの出てくる作品ではそれだけでなく、
死者→主
生者→客
……こちらの主客も逆転します。
知っての通り、死者が蘇ることも、死者が生者を襲うことも、決してあり得ないことなのです。
知っているものが知らないものになる。
その絶対の主客が逆転する。
それこそが怖い。
「ぎゃふん」という言葉の語源は「ぎゃ」は驚く様を示し、「ふん」は「ふむ」と同じ理解を示します。
逆説的に言うならば、最初は知らないものでも、正体がわかれば怖くなくなります。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ってやつです。
なので日本のホラーでは多く、物語の後半になってくるとクリーチャーの正体について語られたりします。
これもまた主客転倒であり、「知らないこと(客)が知っていること(主)になる」ということです。
主客転倒はホラーのキモであると同時に、ストーリー展開においても重要なもので、うまく使えば物語が面白くなりますし、カタルシスを生み出せます。
わかりやすい例が時代劇の「暴れん坊将軍」や「水戸黄門」で、「ただの町人だと思っていた人物(主)が、実はとても偉い人物(客)だった」というのが物語のすっごく大まかなあらすじです。
「時代劇には物語のテンプレートが詰まっている」とはよく言ったもんです。
他にも映画「ホーム・アローン」の主人公のケビンは、隣のおじいちゃんを知らない(客)のでずっと怖がっていましたが、実は優しい人でケビンを泥棒から助けてくれます(主)。
物語を生み出すにおいて、主客転倒は重要です。
時に恐怖を、時にカタルシスを作る、それが主客転倒。
うまく活用できれば、誰でも名作が生み出せます。
……これアンデッドの話じゃなくて創作論では?
実のところこの恐怖論についてはまだ語り尽くしてなくて、逆に「知っているからこそ怖い」というのもありますが、とても長くなるためまた別の機会に。
また、「アンデッドがなぜ怖いのか」のもう一つの理由、日本と海外のホラーの違いの考察が残ってますが、それは後編で。
参考
怪談のウンチク101 大江戸オカルト事情の基礎知識/高山宗東
(※1)THQ NORDIC制作のアクションゲームです。「X-MEN」作者で知られるジョー・マデュレイラ氏が原案やキャラデザを務めるゲームで、黙示録の四騎士が敵をボコボコにする話(雑)です。
(※2)フランスパン・アークシステムワークスの格ゲーです。TYPE-MOONのシエルが参戦していることでも知られています。
(※3)アークシステムワークスの格ゲー「ギルティギア」に登場する暗殺者です。
( <○>)<チェックメイトだ
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