廊下での出会い
「華織さん?...奏くん...寝てますよね」
「先生..なんで私に聞くんですか?彼の隣の席の子に聞けば良いのではないでしょうか?」
「...奏くんを起こせるのは華織さんだけなんですもん!他のクラスメイトが起こそうとしても起きないですし!ましてや私が無理やり起こしても...」
「分かりました、分かりましたよ!そんなに落ち込まないで下さい。でも授業中に端から端まで奏を起こさなきゃ行けないなんておかしくないですか?教師がそんな考えーー」
「...いま授業中だよ、少し騒ぎすぎ...教師と生徒会長...少し考えて..」
自分の机の上にテスト用紙がある。返却物で良かった、流石に今からじゃあ0点だ
キーンコーンカーンコン
「あ、チャイムだ..起立。礼」
「ふわぁ〜あ...うるさくて目が覚めちゃったよ。次から気をつけてね華織、先生」
終わったテストの用紙をぐしゃぐしゃにしてポケットにしまってから食堂へと向かう、全く。授業をなんだと思ってるんだ...
「今日の食堂のメニューはなんだろう...トマト入ってるしピーマン...」
お腹は...空いてる。けどまぁ...別に食べくてもいいか、教室で寝よう。
教室まで戻ってみるとクラスメイトが廊下に屯している。
「あっ、ちょっと不嶋くん!今は教室に入らない方がいいよ...」
「?」
「いや、首を傾げないでよ。先生と華織さん!先生は隅で意地けてるし、華織さんは物凄い怒ってるよ!」
えぇ..先生はともかく華織が怒ってるのかぁ。面倒臭い
「教えてくれてありがとう、それじゃあまたね」
「う、うん///」
(いまの子誰だろう..?)
とにかく腹空いてるからもう歩きたくないし...部室の隣の準備室で寝よう。
鍵は....教室だ。面倒臭い、開いてたりしないかなぁ...
ガチャカチャ
やはり開いてない、防犯対策バッチリだ〜全然開かない
「...眠気も凄いしお腹空いたし..もう限界...」
僕は準備室の扉に寄っかかって寝ることにした....
.
.
.
.
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.
「....大丈夫ですか?」
知らない人に起こされた、誰?さっきの人はまだ見た事あるけどこの女の子は初めて見たな..
「....?僕の事かい?」
「それ以外誰がいるんですか!具合でも悪いんですか?大丈夫ですか?」
「...うん、大丈夫。特に具合は悪くないよ」
「保健室行きます?」
「大丈夫だって、本当に問題ーー」
グゥーー
「もしかして....お腹すいて倒れたんですか?」
「初対面の人にお腹の音を聞かれるなんて...恥ずかしいな」
「何か持ってなかったかな....あっ、僕が持ってる飴あげます!この飴美味しいんですよ〜」
(僕?胸は無いけど...女の子だよな...変な子だ)
そう言って渡されたのは、紫色の袋に入っている見た事がある飴だった。
「懐かしい...舐めると色が変わる飴だね。よく自分の舐めてる飴の色は何色かって華織と確かめ合ってたっけ...」
「華織さん...?ってあの生徒会長の?!」
「うん」
華織は有名人だなぁ...なんかあったら華織に頼まれたって言えばなんとかなりそうだ。
「そうだ、君は新入生だよね?何か知りたい事があったら教えるよ、華織の事でも学校の事でも。僕が教えられる範囲ならなんでも...」
「えっ....なら...」
そう言って取り出したのは僕と華織が写ったパンフレット
「この人の名前を教えて貰っていいですか!」
「...そんな事でいいの?」
「えっ...逆にいいんですか?他の先輩に聞いても全員教えてくれないんですけど...」
何その怖い人たち...華織が朝隠すためにとか言ってた気が...覚えてないし、自分の名前を教えるだけだから大丈夫だよね?
「ここだけの内緒でお願い、あと僕に聞いたってことも」
「はい!いいんですか?!楽しみだなぁ〜でも会いに行けるのかなぁ...そんなに名前が守られてる人に普通に会いに行けるとは思わないけどーーー」
「不嶋奏っていう2年生で美術部の生徒です」
「えっ?」
「あっ、漢字か...はい、このテスト用紙の名前の欄に書いてある通りだから」
「えっ?え...?!」
キンコーンカーンコン
「予鈴....ごめんね、この飴の借りはいつか他の形で返すよ」
「.......」
返事はないけど授業に遅れちゃうから教室に向かうことにした。
「優しい子だったなぁ...最近の華織はちょっと怖いし...昔はあんなに可愛らしかったのに」
そんな事を考えながら飴の袋を開ける。
「あっ....緑だ」
さて、僕の今日の運勢は.....
怒られる日が続きそう...トホホ...
占いなんて...信用する奴いないよなぁ...
そう思って飴を口の中に入れる。
「ん、美味しい...」
今度華織と美桜と一緒に食べよう...
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