第54話 全力を出さずに勝つ方法

「おい、葵」

「いつまで演技してんだよ」



「演技じゃないよ〜」

「結衣ちゃんのこの水の牢獄は簡単には解除できないよ〜」

黒桜葵は軽く律をあしらっているようだ。



そして、俺は黒桜律との一騎打ちをすることになっている。

俺の悪目立ちせずに勝ち上がるみたいな希望は打ち砕かれたらしい



「鳳、かかってこい」

「一瞬で終わらせてやるから」



相変わらず、黒桜律は俺のことを舐めまくっているらしい。

今まで、最強の中二病とかいろんなこと言われてきたけど

ここまで雑魚に見られることは初めてだ


黒桜律も名門として負けなしの人生だったから

圧倒的な自信があるのも仕方ないけど



「凛、チャンスだよ!」

「葵ちゃんはなんかわざと手を出さないようにしてるみたいだし」




結衣の言う通り、今なら俺が黒桜律を倒す絶好のチャンスになってる訳か


「名門だし出し惜しみなしで行かないとな」

俺が魔力を込めて炎の弓を生成しようとすると、、、



「凛くん?」

「全力はなしって言ったよね?」



なんか、とてつもない殺気を感じた

殺気の元を見てみるとナタリア先輩がニコニコしながら俺を見ていた。

全力はやめよう、、、

戦いに勝ってもナタリア先輩に殺されてしまっては元も子もないからな



しかし、今まで使った攻撃技はミサイルを破壊したりあまりにも威力が強すぎる

この会場で使うと危険が大きすぎるんだよなぁ


いくら、黒桜律が魔法を吸収すると言っても限界があると思う

俺の全開の魔力を吸収できるとは到底思えない

なんとか、黒桜律の限界値近い魔力を吸収させることができれば



「そうか、魔力を直接流し込めばいいのか!」









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