第53話 東西魔法選手権一回戦
「それでは東西魔法選手権第一回戦を始めます」
開始とともに俺と結衣は相手を警戒する
しかし、黒桜律は何もしてこない
「別にお前らから好きに攻撃していいぞ」
「どうせ、このトーナメントは俺達と玲央のどちらかが勝つし」
会場にいる俺たちにしか聞こえない声量で俺たちに話しかけてくる
どうやら、黒桜律はいままで負けたことがないから
俺たちを完全に舐めきっているらしい
俺としては助かるけど、
「葵さん、本当にいいのかな?」
結衣は罪悪感を感じて黒桜葵に聞いている
すごく律儀なやつだよなぁ〜
「うん、大丈夫だよ」
「律は痛い目を見ないと分からないどうしようもない人間だから」
葵は少し呆れたように結衣に答える
なぜだろう?
俺と扱いが似ているような気がするのは気のせいかな?
「じゃ、遠慮なく!」
結衣は魔力を込める
「
結衣が魔法を発動すると
立方体の水の塊が黒桜葵を閉じ込めてしまった。
「凛、この魔法は相手の魔法を封印するの」
結衣の短い説明で納得した
「なるほど!」
「これで、黒桜葵は先頭から除外されることになるのか」
学校で告白してきた男子に食らわせた魔法だ
あの時は相手の呼吸も封印していた気がするが、、、
「魔力量が高い人の場合は封じられる範囲が限られるから」
「今回は相手の動きと魔法を封印するので精一杯かな」
なるほど!
これで、勝負は2対1
完全に俺達が有利になったわけだ
「でも、これには弱点もあってね」
「相手を封印している間は私も動けないんだよね」
「えっ?」
「それじゃ、今回の作戦ってまさか?」
すごく嫌な予感がしてきた
これは俺と黒桜律の一対一の対決になるよね?
すごく目立つよね?
俺のリア充ライフが遠ざかるよね?
「私が封印するから、あとは凛が何とかする!」
結衣は笑いを堪えながら俺から目をそらしている
完全に俺が嫌がる作戦を用意してきた
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