第52話 黒桜律と黒桜葵
黒桜律は俺と同じ高校一年生
その実力は折り紙付きで入学してから戦闘では負けたことがないらしい
そして、若干16歳にして黒桜家のオリジナル魔法を使いこなす
他の魔法を寄せ付けない黒の吸収魔法から
漆黒の王子ブラック.プリンスと呼ばれている
「東西魔法選手権の選手データには漆黒の王子って呼ばれるようだね」
「びっくりするほど、ダサいな」
なんで、魔法使いって中二病的な発想なんだろ?
シンプルにダサいとおもうんだけどな
「そして、アイドル並みのルックスで女性の支持も高いらしいよ」
「はぁ〜?」
「イケメンで名門で魔法が強い?」
「なんて羨ましい、、、魔法をなんだと思ってるんだ!けしからん!」
「だから、さっきからたまに心の声が出てるって」
なんで、俺が魔法でこんなに苦労してるのに
俺が目指しているリア充をすでに手に入れている奴がいるなんて、、、
単純に羨ましい
「とにかく、初戦の割には注目が集まってるから緊張しないで頑張ってね」
「なんか、情報がめちゃくちゃすぎて緊張どころじゃないんだけどなぁ〜」
「今回は黒桜家のオリジナル魔法にどう対処するかで勝負が決まりそうだね」
「でも、魔法を吸収する魔法なんてどうすればいいかなんて分からないよ」
「大丈夫、私にとっておきの作戦があるから」
結衣にはある作戦があるらしく
俺たちは結衣の作戦に従って戦うことになった
会場は一回戦なのにすでに満員になっていた
理由はもちろん黒桜律と黒桜葵だ
日本の魔法使いの名門の戦いが見れるとなれば全世界が注目する
「俺達は完全な引き立て役ってことかよ」
「まぁ、しょうがないよ凛」
「まさか、凛が魔力100万のバケモノだなんてこの会場の誰も思っていないよ」
たしかに、俺の魔力保有量は一般的な魔法使いの倍以上になる
名門と呼ばれる魔法使いだって魔力保有量は1万くらいだと言われている
あの、ナタリア先輩だって50万だからな
「さぁ、今大会注目の選手の登場です!」
「日本の名門黒桜一族です」
実況者の紹介で会場がものすごい盛り上がりを見せる
「全く、俺は黒桜家じゃなくて律って言う名前があるんだよ!」
「まぁ、私達はあくまでも黒桜家って認識だから仕方ないよ律」
会場の盛り上がりに反して
黒桜律は不機嫌そうだ
2人は双子らしい
見た感じは俺達と同じ普通の高校生だ
「あの、今日はよろしくお願いします」
黒桜葵は丁寧に俺達にあいさつしてくれる
口調もすごく丁寧で育ちの良い女の子って感じだ
「ほら、律も挨拶して」
「いいよ、どうせ負ける相手のことなんて覚えてないからさ」
対して、黒桜律は黒桜葵と違いすごく失礼な印象だ
「ごめんなさい、いつもは素直な弟なんだけど今日は不機嫌みたい」
「大丈夫ですよ、その感じはこっちも凛で慣れてますから」
結衣と葵は握手しながら打ち解けているようだ
なんで、俺の株を下げたの?
葵さん綺麗な人なのに、恥を晒したくないのに
「おい、そこの魔法使い」
「えっ?俺のこと?」
「そうだよ、お前しかいないだろ」
「俺達と一回戦から当たるなんて運がなかったな」
初対面なのに、めちゃくちゃ失礼なやつだな
今まで、負けなしの名門ってこんな感じなのか?
「まぁ、大会の記念になるようにせいぜい頑張るんだな」
「こら、律!」
「初対面の人に失礼なこと言わないの!」
「いいじゃねーか葵」
「どうせ、こいつらも他の魔法使いと同じだ」
「俺達は玲と勝負するためにここに来てるんだからな」
黒桜律は葵さんの静止を振り切ってしまった
葵さんは俺たちに謝ると自分達の陣地に戻ってしまった
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