第2話 ドイツからの訪問者

あの測定会以来、

俺は最強の中二病魔法使いとして生徒の記憶に刻まれてしまった。



「はあ〜俺のリア中ライフが、、、」

すっかり肩を落としていると

  

「いいじゃん凛、魔法使いってことは国の宝物なんだよ?」

結衣は肩を叩いてくる。



確かに魔法使いは国の宝物だ。

現代のどの軍事兵器よりも魔法の方が威力が高い。

そのため、多くの魔法使いを保有する国は国際的に大きな力を持つことになる。


日本は世界第一の魔法使い保有数を誇るため国際的に強い立場となっていた。



「だけどさ結衣、中二病を卒業したと思ったら最強の中二病魔法使いなんてさ、、、」

「恥ずかしいし悲しいしさ、、、」



「まあまあ凛、それは徐々に慣れていこうよ」



肩を落としながら教室に到着すると


鳳 凛おおとり りんお前か!史上最強の中二病は!」




「いきなり、恥ずかしいことを言うな!」

「てか、君は誰?」



前を見ると

ヨーロッパ出身であろう女性がそこにいた。

髪はブロンドのロング、肌は白く透き通っている。

なんか、RPGに出てくるような美女だ。

俺が彼女に見惚れていると



「私はドイツから月城学園に留学している一ノ瀬レナだ。」



「なるほどか」



日本は魔法使いの保有人数が世界第一位であり、魔法の教育も世界各国と比べ充実している。

そのため、世界各国から魔法の技術・学術を学ぶため魔法の資質が高い学生が留学してくると言うわけだ。

この月城学園も例外ではなく、留学生は多く受け入れている。



そのため、各国の代表としてのプライドが高いものが多く、トラブルも付きものなのだか、、、


「私と国の威信をかけて勝負しろ!」




「絶対に嫌だ」


俺は即答する。


当たり前だ、ただでさえリア充高校生ライフから遠ざかっているのに

ここで決闘なんかしたらリア充ライフ終了確定になってしまう。




「君の意思はなんでもいい、私より優れていると言う機械の判定が不服なんだ!」




「そんな、横暴な、、、」


「では、一週間後に実習場で待つ。必ず来いよ。」


綺麗だけど、なんて無茶苦茶なやつなんだ

俺の意思なんてないようなものだったぞ。


「ねえ凛、本当に決闘するの?」

結衣は不安な様子で俺に聞いてくる。



「行かないよ、決闘なんてリア充ライフから更に遠ざかるじゃんか」


そうだ、決闘なんてしたら中二病をさらに印象付けてしまいリア充ライフどころか、からな。


「凛、、、まだリア充ライフとか目指していたの」

「せめて、一ノ瀬さんには事前に決闘しないって伝えた方がいいんじゃないの?」



「そんなことしなくても大丈夫だよ」

俺が適当に

やり過ごそうとしていると


「だめだよ!あるもの約束を破ることは許しません」

結衣は俺の目を見て強い口調で言った。



「わ、、わかったよ、一応決闘会場には行くよ」


「凛、それでこそ日本男児だよ!」

凛はうんうんと頷いている。



凛は昔から約束に関しては厳しいんだよな

日本男児ってうるさいし


俺は入学初日で最強の中二病魔法使いの称号をもらい

一週間後に

一応、国の威信をかけて決闘をすることになっていた。

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