第3話  凛は悔しくないの?

一ノ瀬の決闘の申し込みから一週間が立っていた

今日は決闘の当日だ


「ねえ凛、勝負には勝てそうなの?」

結衣は俺に聞いてくるが



「そうだな、正直わからないかな〜」

「一応、昔のネタのノートは見てきたけど、、、」



「あの


 

「なんでお前ノートのこと知ってるの?!」

「誰にも言ったことないのに、、、」

俺は中学の時に中二病の妄想をノートに書き留めていた。

楽しく妄想に吹けるのが密かな俺の楽しみでもあった


まぁ、今となっては

はっきり言って俺の黒歴史そのものだ。




「そりゃ、わかるよ幼なじみだもん♪」

なんか、結衣は嬉しそうだ


「それより魔法はイメージが大切だって授業でも先生言ってたから、ノートを見てしっかりイメージをつけないとね」


イメージっていうか

俺にとっては妄想なんだけどな


会場に着くと

そこはお祭り騒ぎになっていた。

同学年はもちろん、生徒会役員や教師まで学校関係者が集結していた。


「なんで、こんなに人があるんだ?」

「これじゃ、リア充ライフに戻れないじゃないか!」



「凛、、、そのネタもう飽きたよ。」

結衣は呆れたように

俺の言葉をあしらっっていた



「来たか、鳳 凛おおとり りん!」

前を見ると、一ノ瀬レナが堂々と立っていた。

綺麗な女性が堂々としているとなんか神々しく感じてしまう。



「まぁ、一応な。」

「それより、なんでこんなに観客がいるんだよ!」

「これじゃ、リア充ライフの道が閉ざされるじゃないか!」



「リア充ライフとはなんだ?」

一ノ瀬はキョトンと首を傾げる。

とりあえず、綺麗な女の子のキョトン顔は可愛いな!


「凛、、、」

そして、俺は結衣に可哀想な目で見られていた


「まぁ、リア充はこの際どうでもいい!」

「なんでこんなに人がいるんだよ」



「どうやら、お前自身が学校内で噂になっているらしい」

「史上最強の中二病魔法使いを見たくて集まったらしいぞ」




どうやら史上最強の中二病魔法使いの名前が一人歩きしているらしい。


「なんじゃそりゃ、、、」

「聞きたかったんだけど、なんで決闘なんかしないといけないんだ?」


決闘は成り行きで承諾してしまったが

決闘の理由を聞くのをすっかり忘れていた。



一ノ瀬は震えながら答えた。



「は?それだけなのか?」

俺はあっけにとられてしまった。

そんな、漫画みたいな理由があるんだと感じてしまった。




「それだけとはなんだ!」

「私の実家は自動車の会社を経営していてな、日本の自動車の発展とともに父の会社の経営、家族関係は悪化してしまった」

「それ以来許せないんだよ!ドイツが日本に負ける姿を見ることが!」



「ちょっと待て、それは俺と全く関係がなくない!?」

「日本の自動車会社に文句言えよ!」


なんて理不尽だ、、、

日本の自動車会社の恨みがなんで俺個人に来るんだよ!







「うるさい!」

「ただでさえで勉強する苦痛を味わっているのに」

すごく一ノ瀬は興奮しているようだ。




「凛をバカにするのはいいけど、日本をバカにするのはやめてくれない?!」

結衣が口を開いた。



「結衣さん、、、なんでいきなり俺を傷つけたの?」



「凛は悔しくないの?日本がバカにされているんだよ?」

「凛が戦わないなら私が戦うよ!」




「私はいいぞ、今港 結衣いまみなと ゆいさん」

一ノ瀬がそう言うとブレスレッドが光り出した。



一ノ瀬のブレスレッドはスナイパーに変わっていた。

どうやら一ノ瀬の魔力は武器を具現化する能力ちからのようだ。



一方、結衣は水を展開していた。

結衣の魔力は水を自由自在に操る能力のようだ。




「では決闘バトルを始めようか!」




実力の差はあまりにも大きかった。

結衣は一ノ瀬の銃弾を水の盾で守るのが背一杯だった。




「さっきまでの威勢はどうしたの?」

「日本がバカにされて悔しいじゃないの?」


一ノ瀬は攻撃の手を緩めない



「あいつ、



魔力の使用は精神力を消耗するため一定量の魔力を使用すると

気を失ってしまう。

結衣はすでに意識が朦朧もうろうとしている。



意識が朦朧もうろうとしている結衣に

一ノ瀬は語りかける



「残念だけど、これが結衣さんの実力です。」

「何も守れないじゃないですか!」

一ノ瀬は弾丸を打ちながら語りかけてくる



「悔しいよ、、、凛」

結衣は意識が朦朧もうろうとしながら俺に語りかけてくる




「もう終わりにしましょう、あなたの負けです!」



結衣の盾が破壊されたその瞬間



「終わりじゃないよ、結衣」



「凛、ありがと、、、」

結衣は意識を失って倒れてしまった。


俺は無意識に結衣を守っていた。






「いいぜ一ノ瀬、決闘受けるよ」

「その代わり俺が勝ったら、結衣に言った



久しぶりに少しイラついていた。

日本なんかどうでも良くて

幼なじみがバカにされたことが、傷つけられたことが単純にムカついたのだ。




「いいだろう、お前が私に勝ったらその言葉を取り消そう」



「ありがとう一ノ瀬」

「じゃ、始めるか決闘を!」

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