前々から貴方の事が大嫌いで大好きなの💛
一ノ瀬 彩音
第1話 ごめんなさい、大好きなの
私事、
令嬢と言っても大したことじゃありませんけれど、そんな感じです。
自身で令嬢というのはおかしいですよね。
私には心から大好きな人がいます。
お名前は
拓哉さんの目の前に居ると私は本当に大好きなのですけれど、それなのに
大嫌いな行動を取ってしまうのです。
本当に私は正直になれないのです。
実は拓哉さんとは以前からお付き合いがありまして、特に私にはお優しく
してくれるので嬉しいのでございます。
そして、今は私は拓哉さんとデートしているのです。
「美琴は何処か行きたい事はあるのか?」
「拓哉さん、私に軽々しく声をかけないで!!」
「何を言ってるんだよ、デートしている最中だろ」
「うるさいですわ」
「うるさいって何だよ」
「ふふっ、私に声をかけるなんてどうかしているわね」
「あのな、デートしているんだから美琴に声をかけるのは普通だろ」
私はイライラしてくると拓哉さんの足を踏みつけるのです。
「いってぇな」
「ふんっ」
さらに私は拓哉さんの足を踏みつけるのです。
「痛いだろ」
「知りません」
どうして私は拓哉さんに酷い事をしてしまうのでしょうか。
それが自身でもよくわからないのです。
本当は大好きで大好きで堪らないのに………………。
私は拓哉さんを置いて歩いていると後ろから拓哉さんの声が聞こえるけれど、
私は無視されるのです。
無視していると拓哉さんは私の方に手を置いてこう言ってくるのです。
「無視するなよな」
「うるさいのっ!?」
私は拓哉さんの急所を思い切り蹴り上げるのでした。
「ぐぉっ!? 効くぅ~~~」
拓哉さんは急所を手で押さえてその場で崩れ落ちるのです。
私は心の中でざまぁみなさいって思います。
早歩きで私は歩いていると私は自宅へ戻るのです。
自宅へ戻ると私は自室に籠っているのですが、ドアには鍵をかけているので
誰も入ってこれません。
数分後、ドアが叩かれて声がします。
「おいっ、美琴ここを開けてくれ」
「嫌です」
「頼むから開けてくれ」
「貴方の事が大嫌いなんです、お帰り下さい」
私はとうとう口にしてはいけない事を言ってしまうのです。
「そうか、わかった」
どうして私は悪い事しか出来ないのでしょうか。
本当に損な性格をしていると思います。
それでも本当は拓哉さんの事を大好きなんです。
静かになると私はドアを開けてお部屋から出てみると
いきなりキスされるのでした。
「!?」
キスされた私は驚いているのです。
「ざまぁみろ」
「なっ、なっ、私にキスするなんて」
私は拓哉さんの頬に平手打ちを何度もしたのです。
「いてえ~」
「アッハッハッハ、楽しい」
「楽しいじゃないだろっ」
「知りませんわ」
「本当に嫌いになるぞ」
「勝手にすれば」
私ったらまた大嫌いになるような事を言ってしまったのです。
「わかった、さようなら」
私って何でこういう性格しているの。
それに何で本当は大好きなのに大嫌いな行動を取るの。
もうこんなの嫌です。
「拓哉さん、行かないで!!」
拓哉さんは立ち止まるとこちらに振り向くのです。
「ごめんなさい、嫌な事をしてて」
「本当は大好きなの、大好きなのに嫌われようとしていたの」
「本当にごめんなさい」
拓哉さんはこう言うのです。
「まぁ、しょうがないよな」
「怒らないの?」
「怒るわけないだろ」
「はい」
「美琴は美琴のままでいいんだよ」
「はい」
私は拓哉さんに抱きつくと拓哉さんとキスしているのです。
キスしていると本当に大好きなんだなってわかります。
嫌いになるような事をしてても大嫌いな行動してても
拓哉さんは私の事を理解しているようで
私はそんな拓哉さんの事が大好きです。
そして、私と拓哉さんは結婚するのですけれど、結婚後も
私の悪戯や嫌がらせみたいな事は続くのでした。
前々から貴方の事が大嫌いで大好きなの💛 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
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