漫才「ヤンキー漫画の主人公」
いありきうらか
漫才
ツッコミ「どうもー、よろしくお願いしますー」
ツッコミ「今日は、ちょっとやってみたいことがあって」
ボケ「そう、何?」
ツッコミ「ヤンキー漫画のシーンをやりたいなと思って」
ボケ「ヤンキー漫画?」
ツッコミ「そうそう、主人公である番長の仲間が敵対するグループに捕まるんだよ、で、倉庫に一人で来い、って呼び出されて、周りから止められるけど振り切って一人倉庫に向かう、そして捕らえられた仲間のために、一人で大人数を相手に喧嘩する…ってカッコいいじゃん」
ボケ「…全然カッコよくないけど」
ツッコミ「いや、カッコいいじゃん、俺、主人公の番長やりたいから、お前、相手のグループの番長やって」
ボケ「…嫌だ」
ツッコミ「なんでだよ、こういうのはスッとやるんだよ」
ボケ「ヤンキーなんて大嫌いだからね、絶対やらない」
ツッコミ「なんでヤンキーのこと嫌いなんだよ」
ボケ「…嫌いに決まっているじゃないか、ヤンキーなんて弱い者いじめしてお金巻きあげている癖に、友情には熱いみたいな謎の評価をされて、学校に原付で来るために、ちゃんと自動車学校に通うようなストイックさは持っていて、袴を着たり、お酒を買ったり、事前の準備を怠らない真面目さを成人式で暴れることにしか使えなくて、どうせできちゃった結婚して、でも立派に仕事をして、人に迷惑をかけたことは棚に上げて、息子に、昔の俺は、あの頃は若かった、って武勇伝語って、結局僕みたいにグチグチ言っている奴を置き去りにしてどんどんどんどん幸せになっていく、なんでそんな奴をやらなければいけないんだよ」
ツッコミ「偏見がすごいよ、何されたんだよ」
ボケ「神様は不公平だよ」
ツッコミ「そんなこと言うなよ、とにかく相手グループの番長やってくれよ、
俺バイクで倉庫に辿り着いてシャッターを上げるところからやるから」
ボケ「無免許運転で捕まれ」
ツッコミ「うるさいよ、いいからやって、シャッター上げて倉庫に入るから」
ツッコミ「ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ボケ「シャッター上がりきるまでそんな短いわけないだろ」
ツッコミ「細かいところはいいんだよ、いいから倉庫の中にいて」
ツッコミ「ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ボケ「カッコいいつもりかもしれないけど、ヤンキーの裏ボタン、本当ダサいからな」
ツッコミ「なんでお前がいるんだよ、ちゃんとやってくれよ」
ツッコミ「ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ボケ「ガラガラガラガラガラ」
ツッコミ「なんでシャッターの音ちゃんとやってんだよ、番長、番長をやって」
ツッコミ「ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ボケ「ようやく来たな…先生、これで2班のメンバー全員集まりました」
ツッコミ「班長やるなよ、番長、ヤンキーの集団をまとめ上げる番長、番長をやって」
ツッコミ「ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ボケ「………。」
ツッコミ「…あ、隣の倉庫だった、いっけね、いっけね…っておい!なんで倉庫にいないんだよ」
ボケ「ヤンキーは正しい倉庫にたどり着けないよ、地図を読めないんだから」
ツッコミ「失礼なこと言うなよ、ちゃんと正しい倉庫にたどり着く、そしてその倉庫にはちゃんと敵グループの番長がいる、はい、やって」
ツッコミ「ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ボケ「ガラガラ、ようやく来たな」
ツッコミ「どんな倉庫なんだよ、なんでお前も入ってくるんだよ」
ツッコミ「…いや、ちょっと待ってくれよ、俺今日シャッター開けることしかできてないよ」
ボケ「…ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ツッコミ「ようやく来た…、俺がそっちやりたいんだよ、やめろよ」
ボケ「仲間タケシを返せ!」
ツッコミ「仲間、って苗字じゃないよ、頼むからちゃんと仲間を助けさせてくれよ」
ツッコミ「ガラガラ、おい!仲間を返せ!」
ボケ「兄貴、たった今、解放されましたー」
ツッコミ「解放されるなよ、何やってるんだよ、捕まった仲間を助けたいんだよ俺は」
ボケ「…仲間を助けたいのに解放されたらまずいって…、お前もう敵グループの一員じゃん」
ツッコミ「違う違う、そういうことじゃない」
ボケ「なるほどね、自作自演で仲間を助けた姿を見せて、リーダーとしての信頼度を高めようとしてるんだね、卑怯な奴だねヤンキーってのは」
ツッコミ「そんな作戦立ててないわ、全然ちゃんとやってくれないじゃん、そんなにヤンキーが嫌かよ」
ボケ「嫌だね、ヤンキー・不良は絶対に幸せにさせない」
ツッコミ「今に関してはよっぽどお前の方が不良だからな」
ツッコミ「もういいよ、じゃあお前が何かやりたいこと提案しろよ、何がやりたいんだよ」
ボケ「ネットカフェにあるヤンキー漫画全部燃やしたいから、ネットカフェの店員やって」
ツッコミ「絶対嫌だよ、いい加減にしろ、どうもありがとうございました」
漫才「ヤンキー漫画の主人公」 いありきうらか @iarikiuraka
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