第2812話 結び:試行の違い
金曜日の夜から土曜日にかけては一気に
今の所一番の大物は、
「……やっぱり直接は来ませんよね。だろうとは思いましたが」
ちなみに、対
ちょっと、話聞いてたか? となる相手もいるにはいたんだけどな。順調に全エリアを突破した後「第一候補」の所に行って、「開いてる場所にうちのクランハウス建てていいですか」って申し出てきた奴とか。国みたいになってるけど、クランハウスだぞここは。入れ子構造的には建てられない。
それに、今回はプレオープンって事で、配られる来客用通行証(スタンプカード)は全て同じものであり、最も難易度が低い、「第一候補」に会う事が出来るだけのものだ。しかも1回使い切りなので、途中までスタンプを集めた状態でエリア内を遊び回る方が長く楽しめる。
『やっぱ
『まあね~。でもやっぱり~、説明しない訳にはいかないわよ~。説明しても聞いてない人への対処が出来ないもの~』
『というか、私の所まで来ても同じ説明をする事になる人がそこそこいるんですが。もうこれ話聞いてなかったらアウトにしてもいいのでは?』
『だと思うよな忙しい「第三候補」なら。だがな? ちゃんと話聞いてたかってチェックして通ってるからオッケー出してるんだぜこれ』
『説明内容を書きとってもらって~、音読してもらって~、更にその中から確定数点とランダム数点でクイズ出して~、全問正解してる筈なのよ~』
『いっそ心配になってきましたね。短期記憶がそこまで無いと普段の生活に支障が出るのでは? どうせ特定分野だけの特例な症状なんでしょうけど』
だからつまり、何回でも使える通行証と、クランハウス内の敷地に滞在できる通行証(期間別)は別。なおかつ更に、敷地の中に自分の家(死に戻り地点)を持つ事が出来る許可証と、内部で商売をする許可証と、働く事が出来る許可証は別。
そして、更にクランメンバーになる為の許可は別だ。合議制としているメインメンバーを更に増やすかどうかというのは論ずるまでもない。なおかつこれらの通行証と許可証は、段階別だ。
すなわち、だんだん難易度が上がっていく、って事だな。お客さん扱いでなくなる分だけ権利が増えるんだから、審査も厳しくなる。当然の話だろう。
『そういやさー「第三候補」』
『なんでしょう』
『渡す通行証は同じでも、婚約者目当ての奴はクランメンバー用の難易度でってのは徹底してるけど、それに対する文句が出てんだよな。笑える』
『声が笑ってないんですよ。説明して婚約者用のルートを選んだのは本人でしょう?』
『はっはっはーまぁな。けど便乗してついてきた観光目当ての血縁が滅茶苦茶のびのび楽しんでるの見て、おかしいだろ! って言ってきてる。のがー、既にもう百からは数えてない』
『お疲れ様です。文句を言うたびに説明するのも労力でしょうし、3回説明を受けてなお文句を言ったら出禁でいいと思いますよ。2回目以降の説明にはその旨を含めておけばいいでしょうし』
『ま、それはそうだな! じゃーとりあえずリストアップしてる奴らを全員集めて正式な「2回目」の説明といくかぁ!』
みたいな会話もあったが、たぶん「第五候補」はとっくに実践してる事だと思うぞ。話が出てきてないからな。
このタイミングでそういうのが出てくるって事は、色々調べてから
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