第2807話 結び:対応の範囲
現在は主に異世界関係で賑わっているフリアドだが、
実際どれぐらいの何が回収されたかは分からないが、そういう時にちゃんとリソースというか資源というか、そういうのを回収する割り切りと切り替えが出来るからここまで厄介な訳で。
流石に「この男達は……」みたいな目で
「……。いえ、そうね。今回の事は、いうなれば国々の間に罅を入れる絶好の機会。たとえ私達が上手くしのいだとしても、婚約者に名乗りを上げた同士で諍いが起きるのは避けられない上に、私達の妹だもの。それが国にまで波及する可能性は高いわ」
と、
とはいえ。
「邪神の信徒相手に、実質単独でどうにかしよう、というのは無理がありますよ」
「全くね。確かに召喚者は加減をしないのもいるけれど、少なくとも邪神の信徒を潰すのであれば遠慮なんて必要ないでしょう? むしろ国が相手になるとして、余計な欲をかく部分なら潰してしまった方が今後の為にもなるわ」
「……ハイディレータ」
「な、今回は私そこまで悪い事は言って無いわよマーリ姉様!?」
「ハイデ。それは内政干渉と言って、やり過ぎよ」
「うっ、お母様まで……」
もちろん私も目を逸らす。流石に内政干渉は、な。うん。少なくとも、もうちょっと周囲というか、色々連絡を入れて根回ししてからやるべき事だからな。
それに残念ながら、余計な欲とも言いきれない。何しろ、滅多に他の種族と婚姻する事なんてない竜族のそれも皇族だから。あまりにも魅力的すぎるし、邪神の信徒の策略抜きにしても不自然な部分がない「大きなチャンス」だ。
少なくとも、御使族の筆頭様に婚姻式の事を言われるまで、全く気付きすらしていていなかった以上は強く否定できない。そもそも、エルルに対して「そういう気持ち」あるいは「そういう願望」があるのか、と言われると……ちょっと首を傾げざるを得ないしな。
「……ま、エルルが私にとっては唯一であり代わりがいないのは間違いない事ですし。さっさと有象無象ごと邪神の信徒を片付けて返してもらいましょう。どうせまた寝てないでしょうし」
うん。これが正直なところだな。
そもそも中身である私に恋愛経験が皆無だ。恋愛というか、恋という感情を必要としないタイプの人間だったのでは? と思うぐらいだからな。色々ここまでの事を振り返ってみて。
まぁそういう人間程、本気で落ちた時の反動が大きいとは聞くが、とりあえず今の所そんな感じはないしなぁ。高校でも大学でも、それなりに異性とのかかわりはあったにもかかわらず、クラスメイトとして以上の何かは無かったし。
「……エルルリージェも相当だったけど、ルミル、あなたも大概よね」
「はい?」
かと思ったら、うっかり砂糖壺を引っ繰り返してしまった紅茶を飲んだ時みたいな顔をしたハイデお姉様が何か言ってきた。
え? 何?
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