第2703話 73枚目:発動内容

 ステージがだんだん狭くなっていく、かつ、狭くなった分はレイドボスの強化に使われる、というのは間違っていなかったらしく、検証班が別口で探索した先でも「多数生物の立体パズル(罠)」が発見されて解析された結果、司令部からの全体連絡で召喚者プレイヤーに周知された。

 どうやら探索班も、これは中央を探してる場合じゃねぇ! 先にギミックだ! と方針転換したらしく、すごい勢いで地図が埋まっていったようだ。そして途中から罠が少なくなる、言い換えればやる気が無くなる、もしくは何も無い気配がしてくるってところで、中央の探索に戻った召喚者プレイヤーもそこそこいたらしい。

 もちろん、そういうところにこそ何か仕込むのがフリアド運営だ、と探索を続けていた召喚者プレイヤーもいたらしいのだが、移動速度的に私の方が早かったらしい。まぁ素のステータスがな。違うからな。


召喚者プレイヤーだけではなく、住民の仲間もかなりの人数が探索に回っているようですし」


 住民はオートマップが無いんだが、どうやらオートマップを埋める事が出来る使い魔が開発され、それを持ってもらう事で実質的にオートマップが使える状態になる事が出来るらしい。そうなのか。

 まぁ便利な物が増えるのは良い事だし、それでやるべき事が捗るなら何も問題は無い。私も「多数生物の立体パズル(罠)」を見つけるまでに通り過ぎた分かれ道を辿って端を探しているが、本当に広いし次々「多数生物の立体パズル(罠)」が見つかるからな。

 なお解除の難易度は高いし、これだけ大きいと封印する事も出来ないらしい。まぁステージギミックなんだから、ちゃんと解除しろって事なのかもしれないが。


「その割には、難易度が酷いようですが」


 これはもしかすると、中央に速攻をかけた方が良かったか? とも思ったが……「多数生物の立体パズル(罠)」が残機になってる可能性もあるからなぁ。少なくともこうやって探して、全ての端に当たる行き止まりに「多数生物の立体パズル(罠)」がある、みたいな状態なのは宜しくないだろうし。

 それに、自動発動してステージが縮むとその分だけ強化される。これが確定したという事は、レイドボスとの間に何かしらの繋がりがあるのも確定した訳だ。と言う事は、存在する事で何かしらのバフ、それこそ身代わり効果とかダメージ軽減のシールドが発動していてもおかしくない。

 うん。やっぱり潰せる可能性は潰しておくべきだな。と、また1つ「多数生物の立体パズル(罠)」を発見してオートマップにメモする形でカバーさんに報告する。一応私が発見した座標の一覧という形のメールも作ってるけど。


「やっぱり全部どうにかしてから中央に向かうべきですね。……と」


 また行き止まりとそこに鎮座する「多数生物の立体パズル(罠)」を発見して座標を書き込む。そのついでに司令部が更新する全体連絡スレッドを確認すると、どうやら1ヵ所だが、「多数生物の立体パズル(罠)」の解除が出来たようだ。

 周辺の罠、というのは、減ったところから増え始めて行った罠だったらしく、その行き止まりまでは本当の意味でただの通路になったらしい。解除時間は15分ほど。ミスは3回。ただし検証の為なので、実質ノーミスと言っていいだろう。

 失敗した場合は罠が発動するとの事だが、その内容はモンスターの出現だったらしい。そこそこの強さだったが通常のモンスターであり、序盤、中盤、終盤のどこであっても変わらないようだ。


「なるほど。それなら私でも解除できるかもしれません」


 何しろ自動発動までの残り時間がそろそろ20分を切るからな。次に見つけたらそこからは探しに行かず、見つけた奴の解除にかかろう。そこそこの強さだが通常のモンスターって事は、私の場合は捕まえておけば種族特性だけで倒せるだろうし。

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