第2702話 73枚目:ステージギミック
そこから罠を見つけても、一応【鑑定☆☆】したスクリーンショットを撮ってオートマップにメモを書き込むだけで封印し、進む事しばらく。オートマップの共有も生きている=カバーさんと地図の共有が出来ているという事に気付いた私は、とりあえず人のいなさそうな場所を主に回る事にした。
何故ならカバーさんは司令部の人と地図を共有しているらしく、既に結構な範囲が埋まっていたからだ。それにしばらく気付かなかったのは、私のスタート位置が全体から見てもかなり端の方だったからだな。
で、色々回った結果、スタート位置に戻って来た。ここから右に行ったら他の人と合流できるようだから、左に行ったら誰もいない筈だ。時間はあんまりないし全滅する訳にはいかないが、明らかにギミックを前提とする相手なのも分かっているから。マップは埋めて行かないと。
「うーん、罠の難易度そのものはそう高くないというか、むしろ簡単になっていく傾向がありますが……」
いやぁ魔視が強いなぁ。と、しみじみ思いながら空気の足場を伝って探索を進めていく。途中分かれ道もあったが、とりあえず全部探索するのは分かっているので、雑に全部左を選んでいる。
なんだが、と、一旦進む足を止めて周囲を見る。魔視によって罠が見えている。あの城を模しているのか全体的に黒っぽい。オートマップは働いているので、ループしているって事も無い。
「……随分と広い、ですね? あれだけ他の人が探索している場所から離れていた以上、スタート位置が端か、かなり端に近い場所だと思ったのですが」
分かれ道では全部左を選んでいるが、普通に右に曲がる道もあるし正面と右だけの分かれ道もあるから、一応離れる方向に進めている筈だ。マップも異常は無い。
だが、罠の数も減って来たって辺りに「こっちは何も無いよ」っていう気配がするんだよな。時間加速がかかっているとはいえ、通常空間で戦う必要があるかも知れない以上は出来るだけ急ぎたい。
とすると、外れの可能性が高い推定端っこの方をいつまでも探索しているのは時間の無駄、という事になるんだが……。
「おや?」
まぁそれでも念の為、と進み続けていたら、再び罠の数が増えてきた。これは何か境界線を越えたか、それとも何かある範囲に入ったか。まぁフリアドの運営だからな。何も無いよ、って気配をさせたところに仕込みがあるのはいつもの事だ。
で、罠の数が増え始めてしばらく。同じように進んでいった先に、それはあった。
「あー……」
行き止まりのような壁を背にしてこちらに向いた、中央にある巨大な口と思われる部位以外はごった煮状態になっている、黒っぽい金属でできた大きな像。それなりに広い廊下もしくは通路を塞いでしまう大きさのそれ。
羽も鱗も毛も肌も、爪も羽も指も鰭も何もかもが混ぜっぱなしになったようなそれは、恐らく種類で行ったら仕掛け付きの像になるのだろう。
[アイテム:多数生物の立体パズル(罠)
説明:多数の生物を模った立体パズル
解除には魔力の操作を用い、間違えると罠が発動する
解除出来た場合、周囲の罠も解除される
罠の自動発動まで残り00:43:59]
ちなみに私が探索を開始してから、20分弱ぐらいが経過している。つまりこの「自動発動」するのは、1時間に1回という事になるだろう。
そしてこの巨大な口を模った形に、恐らくはステージの端になるだろう行き止まりにあるって事は、たぶん。
『カバーさん。このステージ、ギミックを解除しなければ1時間ごとに縮んでいく可能性が高いです』
『分かりました。至急行き止まりの捜索優先度を引き上げ、並行して解除班を編成します』
っていう事だと思う。たぶんな。
そしてわざわざこんな形をしてるって事は、消えた分の空間はレイドボスの強化に使われるとかそんなんじゃないだろうか。そしてステージの全部が強化に使われた状態なのが、
うん。そんな気が、するな?
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