第2675話 73枚目:始動待ち
そもそも私がこのタイミングでログアウトする事にしたのは、司令部への相談と全体の状況を見ての事だ。つまり、同じタイミングで大勢
まぁ、
そしてそれは情報を待ってから「モンスターの『王』」の過去編に挑戦しようとしていた
「あーあー。ここから見るだけでも随分と連合軍が右往左往していますね」
「そりゃ、これだけ一気に種族入り乱れて人数が増えればそうなるよ」
ただまぁそれは、
もちろん私はその混乱を加速させない為に、そこそこ離れたところで姿を隠しながら待機している訳だが、まぁ大変な事になってるな。何せ連合軍というだけあって、色々な種族がいる。そしてここまで来た
その人達がうっかりと姿を見られて、それでその種族の国から来た部隊の人達がおろおろしてるんだよな。本当に私が言うなって話なんだが、今こうして隠れているので許してほしい。
「にしても、あの状態で共闘する事になるんだよね? 不安だなぁ」
「まぁ、私達も人の事は言えませんからね。その辺はもうノリと勢いで押し切るか、あちらに考えるのを止めてもらうしかありませんし」
「……。そう言えば姫さんがまだ認知されてないんだっけ」
そうだぞ。なのでここにきて残ってくれている竜族の人達にとって、私は野良皇女だ。私を末娘として認知してくれたのは、ここから約1万年後の現代竜族における竜皇様だからな。だから素直に姿を隠してるんじゃないか。
まぁ最終、相手の国の首都で総力戦とかいう展開になったら、隠れてる場合じゃないし出し惜しみしてられないって事で、全力で旗槍を旗として掲げて領域スキルを展開するんだけどな。
実際、何が待ってるかそろそろ本気で分からなくなってきたから。“呑”むと直接対峙する前に「モンスターの『王』」の過去編が来て、その流れで全ての始まりのタイミングであるこの世界の過去に来ている。
「……堕ちて変質したとはいえ、元が異界の大神ですからね。そもそも、まともな戦闘になる訳が無い、と言われればそれまでですし」
「どういう事?」
「“呑”むとやらが控えている事は、随分前に示唆されていました。しかし直接相対する前に、その“呑”むとやらが出現する前にどうにかする形の空間に送り込まれています。と言う事はすなわち、“呑”むというのは出現したら終わりの、直接戦う事が出来ない類の相手なのでは? と予想できる訳です」
「……あー……。でもそれはそっか。大神だもんね」
今はエルル達斥候組が一旦戻ってくるか、戻ってこれない理由の報告を待っているところだ。落とせそうな町も大体落とし切ったので、大人しく待てているのだが。なので、私の護衛として傍に控えているのはサーニャである。
“呑”むとは一体何なのか、となりつつあるが私の予想を説明すると、サーニャも納得したようだ。そして、珍しく息を吐く。
「元が大神だっていうんならさ。それこそ分霊をいっぱいもてなした分で戦ったことになってればいいのにね。戦争よりもご飯いっぱいの方が平和でいいよ」
「それは本当に全力で同意です」
それはそう。若干消化不良になりそうな気配がしなくも無いが、まぁでも、それはそう。
……そうなれば平和でいいんだけどな。戦闘力バトルじゃなくて、クッキングバトルの方がずっといいよ。
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