第2574話 73枚目:待機中
その後、失敗パターンの情報や成功例の情報を頭に入れてから挑戦しに行った人達は、大体3、4人になったところで成功するようになったようだ。得られた加護はやはり目に関するものだそうだが、その内容は遠見や透視、そして言葉の真偽の判別まで多岐に渡るらしい。
なお私と同じ系統だろう魔視の加護を得た
なんならアップルパイや桃を渡した事で更に上乗せされているかも知れない。というのはともかく、そうやってクリア人数が増えても、住民の仲間は一向に戻ってくる様子が無いっていうのが問題だ。
「まぁ、誰1人戻ってこない、って事は、何かしらの条件で別の場所や空間に飛ばされているか、あるいは捕まっているんでしょうけど……」
ここまで戻ってこないってなると、恐らく自力帰還は無理なタイプだろう。となると他の「モンスターの『王』」の過去編をやるか、もしくは「遍く染める異界の僭王」の過去編を繰り返しクリアするしかない。
のだが、どうやら加護を持った状態で再挑戦する場合、一度受け取った加護は無しになるようだ。まぁ、それはそうだな。自分の加護を持っている事が分からない、何てことは無いだろうし。初対面の筈なのにそれは、うん。
私はもう一度挑戦しても同じ結果か、レーンズをお腹いっぱいにさせて時間を稼げばもうちょっと上を狙えるだろうが、今でも十分有用だしこれ以上は扱いきれない気もするので、再挑戦はなしだ。つまり、暇である。
「ログアウトして時間を節約しておきましょうか」
という事で、一旦島に戻ってお留守番組の無事を確認してから一旦ログアウトだ。ほら、今日で終わりだから。情報が集まってから、午後に時間を突っ込めばいいかなって。カバーさんに、何かわかったら連絡くださいって伝えておいたし。
それに時間加速があるなら、実際に行動できる時間は思っているよりも長い。再挑戦できるのなら挑戦し続ければいいが、そうじゃないならただ待機するのはちょっと時間がもったいないんだよな。
なので連絡を待ちつつ、外部掲示板を眺めて……午前中が終わったんだが? マジか。いやまぁ挑戦数が増えないと分からない部分はあるだろうし、土地を取り返す工事も進める必要はあるんだろうけど。
「しかし、ここまで何の音沙汰も無しとか。……イベント、今日までだろ? 大丈夫か?」
とは思うが、今ログイン時間をいつでも出来る事には使いたくない。いや消耗品の生産とか土地を取り返す工事の補助とか、やっても絶対に無駄にならない事はいくらでもあるんだけど、今やってる場合じゃないとも思うんだよな。
ここでちょっと計算。午前中に使ったのは内部時間約8時間。リアル時間に換算して2時間。1日のログイン時間の合計上限は9時間なので、残り7時間。午前中は終わったので、今日の残り時間は12時間を切った。
で。夜のあれこれが終わってから日付変更線までに使える時間は5時間弱から4時間半。つまり4時間ログイン時間があればいというか、それ以上は使い切れない。という事は。
「午後に使えるログイン時間は3時間。……結局いつも通りか」
となると、何か指示があるまで温存しておきたいところだけど……うちの子の行方が気になるからなぁ。魔視が制御出来るようになってから、あの海が無くなってるところも見に行ったけど、あそこは逆に何も無くてびっくりした。
うっすらモンスター側の力場はあったんだけど、ほぼ通常の視界通りだったからな。……まぁそれぐらい、自分の力ごと、吸い込んでるというか、“呑”むの呼び名通りに、飲み込んでるんだろうけど。
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