第2479話 72枚目:復元成功
リアルでは大学4年生な私だが、流石にこれから就活が忙しくなるからか、この夏休みの課題は過去一少なかった。やったぜ。……その分だけ普通は忙しくなってる筈だって? いや。いやほら、忙しいには忙しいから……。(目逸らし)
しかし就職して働き始めると、フリアドをする時間はさらに減るんだろうなぁと一抹の寂しさを感じつつ平日の日中を使って課題を撃破。夏休み中にどこかへ行って体験をレポートにするという類も無いので、一足早く自由の身になった。
「おねーちゃーん! これ! これ見てほしいの!」
で。後はイベントが始まるまでひたすらポーションづくりだ、と気合を入れて錬金釜の前に立ったタイミングで、ヘルマちゃんがダイナミック入室してきた。おう? どうした?
これこれ見て見てと私より大きくなったのにまず抱き着いてくるのはいつもの事だが、その手にあるのは細長い金属光沢のある何かだ。いや、金属光沢というか、金属糸で出来た塊っぽい?
「見てます、見てますけどヘルマちゃん、振り回されると見えません」
「はっ! それはそうなの! 説明はアリカちゃんにしてもらうから鍛冶場に来てほしいの!」
「はい、行きますよ。行きますから引っ張らなくても大丈夫ですよ」
という事でルージュの鍛冶場へ移動だ。一応途中でカバーさんにウィスパーを飛ばしておいたので、カバーさんも同席である。ヘルマちゃんのテンションがとても高い&鍛冶場に移動となると私の装備関係で確定だし、そうなると細かい情報が欲しいからね。……巻き添えにしようなんて思ってないよ。
それはともかく。テンションが全く下がらないヘルマちゃんに連れられて、ヘルマちゃんがいつも通りアリカさんにくっついたところで、その手に持ってぶんぶん振り回されていたものの正体を改めて見る事になった。
どうやら金属糸で出来た塊というのは合っていたらしく、それは金属糸で分厚く編まれた細長いものだった。両端には金具が取り付けられている。……そう。これは、金属糸で出来た、ベルトだった。
[アイテム:響竜鉄のベルト
装備品:アクセサリ(防御+*10・魔防+*10・状態異常耐性+*30・自動回復+*20・
耐久度:100%
説明:錆びた塊から復元された金属のベルト
復元という試練を越えて与えられたもの
竜と名の付く装備と最初から一揃いとして振舞う効果がある
竜と名の付く素材を使った装備を取り付けると、一揃いとして振舞う効果がある
また神器を取り付けた場合、その数だけ素早く衣替えする事が可能になる
詳細:付与スキル【限定セット装備化】(竜と名の付くセット装備限定)
付与スキル【セット装備スロット】(現在:0)]
……。
…………。
「錆びた塊……って、あの、種火と一緒に頂いていた?」
「そうなの!」
「ようやく……復元、出来ました……!」
そう。いつだったか、確か南北の大陸で東側に向かう時に、「敵を与える」奇跡を願いつつコトニワの感謝祭の歌と踊りを捧げた時のイベントの報酬だ。そう、神話ランキングのエキドナ様の報酬だな。
あの時は「絶対何か出てくる奴だな」と思いながらルージュ達にお任せして私はノータッチだったんだが、思ったよりかかったな。まぁ普段から装備の修復や作成、調節までしてくれてるんだから、そりゃ忙しいだろうけど。
『ベルトとレイピアがセット装備にならなかった問題が解決しますね!』
「流石始祖なの!」
そしてまぁ、そういう事になるよな。何せ私のレイピアは、しっかり「竜合金」製だし、ちゃんと名前も「精霊竜姫のレイピア」になっている。
しかし神器を取り付けた場合、って、今の状況を見透かしたような装備(報酬)だなぁ……未来を見る系の権能や逸話は無かった筈だが、流石神様というべきか。
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