第2394話 71枚目:進捗加速
日曜日の昼前に爆弾情報が公開されて掲示板が大騒ぎになっていたが、そこからの展開はとても早かった。世界各地の野良ダンジョンに散っていたベテラン勢や廃人組が、最前線に戻って来たからな。
それに難易度、正式名称異界強度が高いと言っても、前のイベントでのステージが酷かったからな……。
「モンスターっぽい住民がいない!」
「少々大技ぶっぱしても被害者が出ない!」
「カウンターで全体即死罠とかもない!」
「モンスターを倒す順番も気にしなくていい!」
「罠をうっかり壊してもいい!」
「何なら探索も適当でいい!」
「ボスモンスターさえ倒しゃ全部解決!」
「あれに比べりゃただの探索だ!」
「シンプルイズベストぉおおおお!!」
……うん。その。まぁ。気持ちは分からんでもない。色々……色々、酷かったからな、ほんと……。
そんな調子なので、突入コストマイナスの項目がすごい勢いで増えて行っている。どこの誰かは分からないが、金属系の防具のコストを下げてくれて良かった。【人化】している状態でも、竜族の装備は金属鎧判定だから。
情報の公開タイミングもあれだったのか、
「俺とニーアマルカで最短攻略を繰り返してたお嬢が言うか?」
「竜族に関する項目が報酬として出てきたのは、ほぼ私達だったと思いますよ末姫様」
攻略が進んだので、ヨシ!
日曜日の午後と夜を頑張ったお陰で、竜族部隊の人達を含めた全員分の割り勘機能付き「カードケース」も用意できたので、これからはベテラン勢に混ざって皆攻略に参加できるようになるだろう。
真っ先に嬉々として突っ込んでったのがルシルだったのはともかく、カバーさん経由で一応司令部に「うちの子よろしく」と伝えて日曜日の夜はログアウト。そしてリアル就寝。
「……。何か、よろしく、って言った時の司令部の反応がやけに良かったような」
そして起きた月曜日の朝、いつものように朝の支度をしながら頭に浮かんだことはあったが、まぁ悪い事ではないだろうと放置する。実際今から大学なので、ログインしている場合では無いし。
6月でも既に就職に動いている人がいるという話をそっと目を逸らしつつスルーし、帰宅。はーぁ、ゲームの中とは言え皇女様のお仕事してるんだからこれでリアルも生活できるようにならんかなー。無理か。無理だな。現実の私は一切露出してないんだし。
みたいな事は考えてもどうにもならないのでぽいっとして。月曜日の夜のログインである。とりあえずは司令部の全体連絡スレッドとクランメンバー専用掲示板をチェックだ。
「だいぶ攻略が進んだんですね。……って、やっぱりカードケースを強化したら住民だけでも突入できるんじゃないですか」
さてはそれで更に攻略が捗ったな? それはそうだろうよ。
そんな調子なので、
転生システムの開放で一時期大騒ぎだったし、新規参入に合わせて魔物種族にセルフ転生した
「そこが突入しやすくなったという事は、更に突入のハードルが下がって、攻略が加速するって事ですね」
うん。良い事だ。さて、私も消耗品を用意して、攻略に参加するか。
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