第2335話 70枚目:追い込み準備
どうやら一部ステージ、特に素材的に美味しい奴だな。それは残りの再挑戦回数が二桁になったところで挑戦の為のクジ引きが導入されたり(司令部ではない)、もっとシンプルに代表者による決闘が行われていた(司令部不認可)らしい。
うん。司令部がやって無い事を勝手にやってたんだってさ。司令部も忙しいし、それで
案の定クジ引きは半分弱ぐらい公平じゃなかったみたいだし、決闘は戦うのがメインになってたりしたので、さくさく解散してもらったようだ。それはそう。
「倒し方や弱点の情報は『アナンシの壺』が発表していますし、素材が1つでもあったらボックス様の試練で再挑戦できますからね。そして素材1つぐらいなら、普通に取引すればいいだけですし」
「そんなに出てるもんなのか?」
「割と出ているようですよ。というか、そういう用途で使う為に、既に大元である
「……。あれってそういう用途だったのか?」
まぁ普通にインテリアとしても飾れるんだけどね。それなりにデフォルメされたやつからガッツリリアル系のやつまで色々売られてるよ。もちろん箱庭を作る必要がある以上、周りの環境に必要なものも揃えないといけないんだけど。
ただボックス様の試練に挑む為の箱庭、それを作る為の素材というのは常に需要があるジャンルになっている。なので、割とお手頃価格で色々揃うんじゃないだろうか。生産作業の経験値的にも良いから、結構な人数の作り手がいる筈だし。
……その中にちらほら、デフォルメされたそこそこ強さの大型モンスターを模った人形を使ったはずなのに、滅茶苦茶強い不定形系統のレイドボスが出現した、みたいな案件が混ざっているらしいので、ちゃんと【鑑定】系統のスキルを使ってからの方がいいんだが。
「ねえ姫さんそれって」
「いやぁ適当な仕事をする人が混ざると大変ですよね」
「いやでもそれって」
「加工しやすい素材でインテリア用に作ったのと混ざったのかもしれませんけど」
「そもそも間違いじゃないんじゃ」
「サーニャ。しーです。しー。……追いかけてる人の邪魔になりますから」
「あ、なるほど。分かった」
ともかく。最後の追い込みとなるだろう日曜日の午後は、完全攻略されたステージの数を増やす方向に全力となった。一旦四隅にある制限時間無しのイベントステージ攻略はお休みだ。
……お休みというか。その。どうも、第1番隊の人経由で、竜族の高位神官の人が呼ばれて……この大陸に新しく出来た聖地で願って運ばれた、浄化特化の炎。文字通りの聖火になるだろうそれが、4つの松明に分けられてたっぽいんだよな。
あれ? なんかすっごい強い火属性の気配するんだけど? と思ってカバーさんに確認取ってみたら、そういう事らしくって……。うん。攻略お休みっていうか、突入禁止、かな……。
「後追いで突入できない仕様で助かったかもしれません……」
割と本気で、それでいいのか、と思った訳なんだが。大丈夫らしいんだ。何故ならあの新しい聖地は、出来た直後のお祭りで、異界の大神の分霊を「主神公認のゲスト」として招いているから。
なので、異界に関しての力の通りが他と比べて良いのはもちろん。こう、毒とか穢れとか害あるものに関する判定が、かなり近くできるらしい。つまり、異界の大神自身の奇跡に近い、って事みたいなんだよな。
気のせいかな。ティフォン様が、異世界でも地母神に近い位置の椅子を着々と手に入れつつあるのは。……まぁ、とても頼りになる体躯相応に懐のデカいイケオジだから大丈夫か!
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