第2150話 68枚目:見た目順調
レアモンスターは大量出現したのだが、途中で何かフラグを踏んだのか、それとも戦闘で魔法陣が損傷したのか、めちゃくちゃ巨大な宝石ゴーレムとかが出現していた。あれ、大丈夫か。
……しばらく目視と掲示板で様子を見ていたが、ボディプレスのような範囲も威力もある大技を阻止・回避しそこねた時なんかは、ベテラン勢から救援が行っているようだ。
なんかそこにルシルとルウが混ざって、ゴーレムの手足を全部斬り落とした上で胴体粉砕とかいうえっぐいコンボが決まっていたようだが、まぁそれはそれとして。
「流石司令部というべきでしょうか。大分穴の中が見えてきましたね」
とはいえ、それだけの勢いで真っ黒いドロドロこと「実体化した負の感情」を吸い上げて排出していれば、噴水もしくは壊れた蛇口のようになっていたエリア中央の穴の中も見えてくる。邪魔してたものが無くなるからな。
穴の直径は50mほどだろうか。側面にもべったりと「実体化した負の感情」が張り付いているが、これはもうしばらく吸い上げを続ければ剥がれていく筈だ。だから放置していい。
そしてその奥、「実体化した負の感情」の水面のようなものは、まだまだ現在進行形で下がっていっている。吸い上げの為のホースも適宜延長されているので、吸い上げられなくなるという事は無いだろう。
「……しかし、それっぽいものがいませんね。紛れているだけかも知れませんが」
で、問題は。このエリアの最終討伐目標、復活レイドボス「膿み殖える模造の禍命」の姿が一向に見えないって事だ。もちろん前回と同じであれば「実体化した負の感情」の中に紛れていてもおかしく無いんだが……。
オリジナルと同じ姿、と言えるのは、実質最初の2体だけだ。後は全部何かしら変化があったし、オリジナルとかけ離れた姿になっていた奴もいる。そしてそれは、後半になればなるほど顕著だった。だから今回も、オリジナルと同じ姿とは限らない。
しかし、だとしても何も見えないんだよなー。正しくは「実体化した負の感情」しか見えない。この穴がどこまで続いているかにもよるが、こうやって吸い出されている以上はさっきまでのように、地面の奥底を侵食して大規模崩落の準備をしてるって事もないだろうし……。
「……出来れば今日中に仕留めておきたいのですが」
何せ、リアル日曜日の夜だからな。リアル的にも内部時間的にも、今日中に仕留めておきたい、で合っている。そしてイベント期間は、今週の金曜日までだ。
だからここで仕留められなければ、平日の夜に決戦を持ってくることになる。そうすると、やっぱり
なので、ひとまず名称だけは確認できたという事で、このどこかに復活レイドボス「膿み殖える模造の禍命」の本体がいる筈なのだが。とりあえず今の所、それっぽいものはどこにもいないらしい。
「結晶化した精霊が、欠片とはいえ出てくるのですから、この地下で合っている筈ですよね?」
ちなみに今まで出てきた精霊さん(結晶)の大きさを合わせると、バレーボールぐらいになるらしい。うん。欠片だな。前回確認した時はそこそこ大きい小屋ぐらいあったから。同じ大きさとは限らないけど。
でもこの穴の直径で、穴自体は真っ直ぐ地下に続いているから、それぐらいの大きさがあっても何もおかしくないんだよな。だからやっぱり、この穴の下に精霊さんが集団で結晶化した結晶がある筈だ。
で。それを放置する訳もないし、オリジナルの時の事を考えると、精霊さん達の苦痛の感情を吸って大きくなってる筈なんだよな。だからそこに本体もいる、で、間違いない筈……なんだけどなぁ。
「……。単純に、穴が深いだけ、であればいいのですが」
まぁあれだ。とりあえず、2回目の崩落が起こった深さまではこのままだろう。そういう想定だから、司令部も次々新しいホースを追加してるんだろうし。
……にしても、何本あるんだ? あの長大なホース。
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