第2102話 67枚目:行動対策
他の場所の横穴と協力する、っていう部分だけが分からなかったんだが……共鳴石って覚えているだろうか。そう、
一塊から分けた欠片の1つに振動や熱を与えると、それが他の欠片にも伝わるという特性のある石だ。宝石ではないので私は食べてない。なお私が初めて知ったのは爆弾の遠隔起爆装置に使われてた件だ。
あの時も共鳴石を専門に研究しているクランが話題に出てきたが、どうやらあのクラン、音叉によって大儲けした分を全力で研究に突っ込んで、更にすごいものを開発する事に成功したらしい。
「共鳴石を使って共鳴結晶を作り、その途中及び完成後に更なる加工を施すことで、魔法を共鳴・増幅させる
「これも召喚者が作ったの?」
「共鳴石がこうなるのか」
サーニャはともかく、エルルも興味のある感じで見てるから、たぶんすごいんだろうな、これ。いや、すごいんだけど。ちなみにこれの開発には、結構遅咲きというか時代を先取りしすぎてた感のある、合同魔法(合体魔法)の開発チームも協力してたらしい。
見た目は先に行くにつれて細くなる四角柱で、先端に四角錐が乗っている形の、透明な柱だ。高さは1mぐらい。普通にインテリアとして置いても良さそうだな。灯りと組み合わせると映えそうだ。
もちろん結界系の魔法にも対応しているので、これをクランハウスの四隅に置いて強力な結界を張るとかいう事も可能だ。しかもこれそのものが露出している必要は無く、柱の中とかに隠しても問題ないらしい。
「これの何がすごいって、単体でも魔法の効果が増幅するって事もそうですけど、同時に使う本数を増やせば増やす程威力が上がるって事ですよね」
「そうなの?」
「ざっくり説明を聞いた限りでは。ただ元となる共鳴石の大きさに限界がありますから、今現在の最大数は今回使われる12本らしいですが」
「この大きさで12本って相当だな?」
「もちろん共鳴結晶にしていますから、それと同じだけの共鳴石が必要という訳ではありませんが、それでも結構な大きさでしょうね」
なお今回使うこれは司令部が共鳴石を持ち込みで作ってもらったらしい。どこにあったんだ、そんな大きな共鳴石。……いや。もしかすると、ボックス様の試練で共鳴石のゴーレムでも出現させたか? 胴体部分なら、普通のゴーレムでも結構な大きさがあるし。これが終わったらやってみよう。うちにも欲しいから。
もちろん本数が増えれば増える程威力が上がる、というのも若干未検証だ。なので、本当にどこまで威力を上げても大丈夫なのかは分かっていない。威力を上げ過ぎて壊れてしまう、というのも十分にあり得るって事だな。
だがまぁともかく、今大事なのは、この
「ところで各自、魔力ポーションある?」
「まだ残ってる」
「なんぼかある」
「そういや補給来てないんじゃね?」
「ちぃ姫さんの領域スキルがありますので、他の場所に回させて頂きました」
「あー……まぁしゃーなし」
「そのちぃ姫はだいじょぶ?」
「最悪エルルかサーニャから貰いますし」
「そういう問題じゃないと思うんだよ姫さん!」
となれば、まぁ、そうなるよな。ここには私がいて、【調律領域】はリソースの供給が出来る。私自身の魔力にも余裕があるし、足りなくなってもエルルかサーニャから貰えるから。
そして、この2人をもってしても魔力が足りないなんて事にはならないだろうし、なったら詰みでいい。そんな量の魔力が必要になったら、
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