第1557話 49枚目:新システム
月末はそんな状態だったが、それでもボーナスステージである野良ダンジョンは積極的に攻略して回っていたし、消耗品の補充もしていた。想定通り、南北の大陸1年目は聖地の島の開放が最終目標だった。
という事は、少なくとも目視できる範囲では、2つの大陸それぞれの3分の1から4分の1ほどの範囲を、次の1年で攻略する事になるのだろう。
範囲が狭いから楽になる、何て言う油断は一切ない。何故なら相手は、これまでとは段違いに戦略という意味で頭が回る。その上に、最終的に制御を放り出したとはいえ、あの規模の亜空間を作るだけの技量があるのだ。
「絶対厄介な事になるのが目に見えていますからね。「転生システム」の実装で、どれだけトップ
「まぁ装備とか人間関係とかはそのまま引き継ぎっすし、【絆】と【契約】を含めたいくつかのスキルはそのままっすから、キャラリセよりはすぐ戦力になるんじゃないっすか?」
ちなみに「転生システム」のフリアド世界定義は、大神から与えられたこの世界での体を捧げものとして、新たな体を貰うというものになる。よって仕様としては、所持スキルをリセットもしくは消去する事で特殊なポイントを得て、そのポイントで転生先の種族を選ぶんだそうだ。
基本的にポイントが高ければ高い程レアな種族を選ぶことが出来るが、リセットに留めた、あるいは引き継ぐ事を選択したスキルは後付けとなるし、一部強制引き継ぎとなるスキルもある。種族スキルは強制消去だ。
そしてリセットせずに引き継いだスキルはロックがかかり、「能力開放の試練」をクリアしないと解放されない。そして、進化後スキルは強制的に初期スキルになるか、消去される。レベルの高いスキルを引き継いで即座に種族レベル爆上げ! っていうのは出来ない訳だな。
「……だから、相応の準備と環境と理解者と協力者がよほど揃っていない限りは止めた方がいいと、現役魔物種族の人達があれほど声を揃えて止めにかかっていたでしょうに」
「あー……最初がもろに動物な魔物種族っすかー……」
『霊体種族も大概阿鼻叫喚ですわね』
第三陣の悲劇、再びだな。掲示板が大変な事になっている。いやまぁ、ね? 竜族ほどではなくても強い種族になりたい、っていうのも分かるし、今最前線にいるみのみのさんとかニビーさんとかを見てたら、絶対強い、って思うのは、分かるんだけど。
まぁ(一応)人間種族ならまだ大丈夫だろう! って、冷人族や竜人族に転生した人達も、それはそれで大変な事になってるみたいなんだけど。ってか竜人族、
ちなみに転生する為の最低条件は、種族レベルがその種族の上限の、半分を超えている事だ。人間種族だったら500で済むが、他の種族は……ま、まぁ、竜族みたいに平均が数万とかじゃないから、たぶん数千ぐらいだろうけど。
「私が言えた事じゃないっすけど、種族レベル数千も大概高い壁っすよ?」
『一応、転生の時に必要なポイントが目安になっているようですわね。ざっくりですけれど、次の転生までの最低ラインがそうらしいですわ』
「という事は、マリーの魔猫族は種族レベルの上限が6千ぐらいですか?」
『進化次第、ですわね。派生によってはまだまだ伸びる手ごたえはありますわ』
「頼もしいっすねー」
ただこれ冷静に考えたら……転生時点の、それこそ【幼体】かそれ以下の種族での最低ライン、って事だろうから、実際はそんなもんじゃ済まないんだろうなぁ……。マイナススキルっていうブーストもあるとはいえ、まぁ、その……頑張って欲しい。(目逸らし)
なお転生で種族を選んだ時にポイントが余った分は、信仰値とポイント数に応じた
実際、最前線でよく見るベテラン
「ところで先輩。もし竜族に転生できたとしたら、どこからになると思うっすか?」
「たぶん卵からだと思いますよ。私の場合は輪をかけて特殊でしたし」
『……それはそれで厳しそうですわね。というか、そもそも動けない気がするのですけれど』
「実際動けないと思いますよ。人間種族で【念動】とか【浮遊】を引き継ぐ人はいないでしょうし、持ってても制御力が無ければ自爆一択ですし。というか、そもそも周囲から魔力を注いでもらわないといけないのが本来の竜族ですからね」
「うわー。話を聞くだけでハードっすね」
『しかもその上、住民にも素材扱いで狙われるのでしょう? ……少々覚悟している程度では無理がありませんこと?』
「竜都の警備と、子供に対する竜族の姿勢を参照してください、としか」
育ったら最強なのは疑いようがないんだけど、育つまでがハード過ぎるんだよなぁ、竜族……。
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