第1464話 48枚目:イベントリザルト
劣化レイドボスの合体がギリギリのところで阻止されたが、あれが成功していたらかなり危なかったかもしれない。私はもちろん、エルルとサーニャという保険があった以上は大丈夫だっただろうけど。
そして見えない壁だった部分が全てあの陽炎のようなものになったという事は、モンスターが大陸東部からこちらに来ることが出来なくなったという事だ。実際には海経由で南北の大陸の間にやって来たり、南もしくは北の果てを回り込んで来たりするのだが。
まぁでも、陸地経由で大量のモンスターが湧いて出る、という事は無くなった。これで、少なくとも一時的に南北の大陸は平和を取り戻した、と言えるだろう。
「とはいえ、ほとんどの
特に旗だな。どうやら結晶糸を間に噛ませると、金属糸と通常の糸の組み合わせでも耐久度の減少が起こりにくくなるらしい、というのが分かった程度には一気に大量生産されている。
ちなみに私も少しだけ考えて、うちの島で採れた植物素材と、うちの島にいる霊獣達をブラッシングして出てきた体毛の類を使って、作れる限りの旗に使える布を作っておいた。
共鳴結晶を使った訳ではないので、シンプルに性能の良い旗(用の素材)だ。耐久度に重きを置いてしっかり作ったので、防衛という目的の為にはとても良い物になっただろう。
「で、マスター。その明らかに性能がおかしい布地はどうするのぉ?」
「一部は
「なるほどねぇ」
物資的支援というか丸投げというかは人による。まぁ、それこそ無駄にすることは無いだろう。使い道と需要はいくらでもある類だし。
さてそんな来月イベントの準備、という名の生産作業をしている現在、既にイベント報酬は届いている。むしろイベント報酬が届いたから頑張って生産作業をしているとも言う。
ほぼ同タイミングで次のイベントのお知らせが来ていたのもあるが、とりあえずイベント報酬に関して言うとだな。
「……聖地の島を覆っている境界線を突破した回数が、
「大神の啓示は回りくどいねぇ。どんな神様でもそうかも知れないけどぉ」
ちなみに、見えない壁への合計累積ダメージが通常報酬、境界線への合計累積ダメージが高級報酬で、見えない壁の突破回数はこちらも全体で建材と「神々の塗料」だった。ある意味分かりやすくて助かるな。香炉とかタッ○ーに比べると。
この報酬だったから、イベント終了直後から全力で、
それを立て直して、ダメだった部分を洗い直して、よりよく改造して、消耗品の備蓄もして、集落の責任者を含めた住民に防衛の仕方を教えて、なんなら訓練も監督して……いや、これ本当に間に合うか? 割と真面目に。
『「第三候補」、少し良いであるか』
『何でしょう、「第一候補」。生産作業中ですので大丈夫ですが』
『うむ。こちらに非常に質の良い旗を送って来たであろう? あれに不死族の御方達が興味を示してな。神の祝福と加護の増幅効果があるという事で、研究内容に引っかかったようである』
『何枚追加ですか?』
『話が早いであるな。我の島にいる霊獣達もブラッシングしてもらって良いし、何ならブラッシング料も支払おう。故に可能な限り頼みたい。不死族の御方達の研究結果如何によっては、防衛の切り札になるである』
『分かりました。出来上がり次第順次そちらに送ります』
とか考えていると、そんなウィスパーが飛んできた。予想外だがいい事だな。切り札は何枚あってもいいし、それが広まるのもいい事だ。
忙しいのは仕方ない。今忙しくして後で何とかなる確率が増やせるんだから、頑張るか。
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