第1234話 41枚目:タイミング
どうするんだこれ……とは思ったが、まぁ、別に私がいなくてもイベントの進行は可能だ。時間が無いのは確かなんだから、ログアウト中にイベントが進行するのはもちろん、クリアするぐらいでないと間に合わないだろう。
この空間異常内部での時間の流れは通常時空と同じ。薄曇りと言っても昼と夜とでは明るさが違うからね。だから儀式が出来るチャンスは、あと2回だ。最初から分かっていたとしてもチャンスは5回までというかなりシビアな設定だな。
だからこれ以上チャンスを逃す事は出来ない。まぁ、仕方ない事だ。
『なので、流石にちょっとリアル事情的に参加は無理です』
『ですよね。司令部としてはそれでも特級戦力であるちぃ姫さんに来てほしいとの事でしたので、一応確認だけはしておかないといけなかったんです』
『……中間管理職的なお仕事お疲れ様です、カバーさん』
という事なので、無理なもんは無理だ。司令部は頑張ってほしい。私が動けなくても、エルルとサーニャとルディルは普通に動けるんだし。
正直に言えば私も参加したいに決まっているし、様子見だとしても儀式の影響を受けかねないミラちゃんの近くで控えていたい。何せ私はそのステータスも当然ながら、各種耐性と回復力に加えて種族特性があるからな。やる気もあるから何が来ようと守り切ってやる。
だが、リアル事情ばかりはどうしようもない。流石にな。ご飯抜きは普通に厳しいしな。あとうちの場合、ゲームが出来るのは他の事をちゃんとやっているという前提ありきだからな。
「とりあえず、出来得る限りの支援として、生産作業をしておきましょう」
作るものはいっぱいある。流石に神の力を込めた特殊アイテムは作れないが、普通の消耗品でも、この後ごっそり消費する可能性が高いんだ。出来るだけ用意しておいた方がいいだろう。
という事で、生産三昧をしてログアウトである。がっつり時間を使ったため残りログイン時間が2時間ちょっととなったが、まぁ1回で決着がつかないか何か間違っていれば、ラスト1回のチャンスである日付変更線のタイミングで再チャレンジになる。
その場合はまず間違いなく日付変更線を越えてログインし続ける事になるので、ログイン時間を使い切るのは不可能だ。なら今生産作業で使ってしまえ、となった結果だな。
明日も土曜日という事で午前中からログインする予定だが、いよいよ年末だからな。年が変わる前後1時間ずつの特殊ログイン時間は今年もあるらしいから、一応問題はない。
「どっちかというと、その特殊ログイン時間中は、空間異常に突入できない、突入していても強制排除かつ状況リセット、っていう方が問題だけど」
いやまぁ、下手に強制終了して、事態解決に失敗した扱いになるよりはいいけどさ。だってその場合、突入するだけして失敗扱いにさせようとする動きがあるだろうから。主にあのゲテモノピエロのせいで。
普通にカウントダウンを楽しんでほしいって事だろうか。……何だろう、この微妙に引っかかる感じ。どうせ今までの特殊ログイン時間にあったあれこれのせいだと思うんだけど。
「……明日のログインは、何も無ければ念入りにボックス様に捧げものをしておこう」
ティフォン様とエキドナ様、後は連名で加護をくれた神々だな。いや、その、何となく、ちょっとでも神様自身のリソースを増やしておいた方がいい気がして。内部時間でいくと、4年に1度の特別な年の節目になるみたいだし。
そんな事を考えつつお風呂までの夜の日常を過ごし、後は寝るだけの状態となった。つまりゲームが出来る状態だ。……まぁ、午後8時を過ぎているから、フリアド内部時間では完全に昼なんだけど。
司令部の事だから、リアル午後6時の内部時間深夜なチャンスは逃してないだろうし……と思いつつ、結果がどこかに触りだけでも出てないかなーと外部掲示板を開く。ざっくり探す、までもなく、更新時間が新しい順に並んだ、一番上にこんなスレッドがあった。
「…………パニックホラー開催?」
それって、どう考えてもダメな奴なのでは?
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