第1168話 41枚目:行動開始
幸い、というべきか、
良かれと思って、というか、普通に仲間と推理ゲームを楽しみたかった
そんな厳戒態勢で迎えた日曜日の夜。つまり、時間加速の時間だ。
「まぁ、
「エルルリージェはともかく、あの神獣をかい?」
「大きな括りで行くと精霊の仲間なので、神の態度が軟化しないかな、と」
たぶん御使族の人達に同行してもらって一発クリア、というのを防ぐためなんだろうけど、厄介だな。もちろん時間加速中はあの空間異常の内部にしかログインできず、外部と連絡を取る事は出来ない。事態を解決したら、そのまま未解決の空間異常のどれかを選んで移動する形になるようだ。
……外と連絡が取れる分、これは、通常時空でクリアしてしまった方がいいのでは? とちょっと思ったが、それをやると今度はこちらが運営から怒られてしまうだろう。それはいただけない。
それに司令部からの連絡だと、手順として何時間も待つ必要や、特定のタイミングを狙う必要があったりするので、そういう意味でもしっかり時間をかけて攻略した方がいいんだそうだ。
「そういう訳なので、皆はあるかも知れない空間異常へのちょっかいだし、及び襲撃への警戒をお願いします。
「……まぁ、防御も必要か」
空間異常の中に突入している間に、最初の大陸で戦争が始まった、とか、最悪過ぎるから。ほんとに。
さて時間加速中の動きだが、カバーさんによれば、司令部と検証班はまず制限時間の短いところに人員を集中させ、時間のかかるところに順次人を集める、という方針で行くらしい。
しかし制限時間が長いという事は時間のかかるギミックがあるという可能性が高く、一部信用できる
……まぁつまり、私は制限時間の長い、=事態解決に時間のかかる空間異常担当って訳だな。後から司令部の人達も合流するんだけど。
「しかし住民がメイン相手であり、様子のおかしい神がそこに含まれるとはいえ、パニックを避ける為にまた変装をする事になるとは思いませんでした」
「ちぃ姫さんは、ある意味存在が切り札ですからね」
という事で、服装は乾燥地帯対応のものだが、髪と目の色は竜都の大陸で顔見せ、もとい探索していた時と同じに変えてある。しかし存在が切り札。……何も間違ってないんだよな、これが。
改めて皇族の権力というものに一般人である中身の私は慄くしかない訳だが、使えるものは使うべきだ。偉い人に話を通す、という事の難易度が高いのはフリアドだって変わらないし、そこをショートカットできるならするべきなんだよな。
「ここの問題は、神殿から供給される水を飲むと気分が悪くなる、でしたっけ」
「そうですね。事態を解決する為の鍵は水源の浄化でした。もっとも、何をどこに使えばいいのかは調べなくてはいけませんが」
「まずは水源の位置の確認からですね」
と、自分に言い聞かせて、とりあえずの目的を思い出す。既に一緒に来ていたソフィーさん達を含む
こういう地味な捜査というか、調査というか、推理をするのが今回のイベントだ。とりあえず、少し離れたところでぐったりしてる人に話を聞いてみようか。
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