第1039話 37枚目:奥地発見
なおその後平日の間は、結果的に、私と「第二候補」が火力を競うような形で、迷路型モンスターを倒して回る形になった。結果的にだ。特級火力として働いただけで、結果を見るとそうなっていたが他の意図はない。いいね?
あぁそれと、何か拘りもしくは制限があるのか、平面の迷路型モンスターを倒すと、立体迷路を構成していた迷路型モンスターが手前に出てきて、平面の迷路になるらしい。流石に立体迷路をぶち抜くのは大変だったからな。主に被害が出る方向を限定するって意味で。
なので平面に展開する迷路型モンスターを倒すことで、立体迷路の範囲も狭くなっていった訳だ。それはつまり、探索が追いつくという事でもある。
「立体迷路を奥に進んだ未探索領域で、広い場所が見つかったんですか?」
という事は、流石にボス関連の、いわゆる最奥と呼ばれる感じの場所も見つかるって事だ。実際にそうなのかは別だが、8月ももう最後の1週間に入ろうとしている。そろそろ見つからないとダメだろう。
まぁ、だから必死に探してたんだけど。それこそ、特級戦力をがっつり出動させて、途中で大幅なブーストをかけてでも。それでいい感じの進捗状況なのだから、やっぱり難易度が高いんだよな。
運営の難易度感覚は今更だし
「はい。前半の石造りの巨大な迷路を、その場の材質で作ったような感じだったそうです。窓の類はありませんでしたが、かかる負荷もそこまでとは段違いだったとの報告が上がっています」
「その
「司令部に報告を入れた後探索を開始したようですが、前半部分でも出てきたモンスターを召喚し続け、周囲の負荷を増す巨大なモンスターが出現し、逃げ切れずに倒されてしまったようです」
なるほど。それは確かに目的の場所、「モンスターの『王』」の居場所っぽいな。まぁ他に無いだろうけど。司令部からの指示があったんなら、あの扉から進んだ方向、奥へ向かってはいたんだろうし。
これで、もう片方からも同じような場所の報告が上がれば確定だ。となれば、予定通り土日には討伐にかかれるかな。どうせレイド戦になるだろうし、流石に「第一候補」を中心とした儀式でお留守番って訳ではない、と、思いたいけど。
「しかし、
「そうですね。とはいえ、あの迷路型モンスターを倒すことで、内部負荷の大幅な減衰が確認されています。その後の事も考えると、迷路型モンスターを全て倒してしまえば、戦える状況にはなるかと」
「やはり大きいだけあって、相手のリソース的にも結構なダメージが入っているのでしょうか」
「おそらくはそうだと思われます」
まぁやる事は変わらないんだけどね。神の力を込めたアイテムを作りつつ、迷路型モンスターの核というか心臓を吹っ飛ばす。カバーさんから聞いてクランメンバー専用掲示板を見る限りは、どちらのイベントダンジョンでもかなり迷路の範囲は小さくなっているようだし。
今までのパターン的に、その巨大な空間を構成している何かが丸ごとモンスターになるって可能性も十分にあるんだ。迷路の攻略と撃破だけではなく周囲の地形を火力で吹っ飛ばす方も続いてるんだし、手は抜けないな。
「それに、要救助対象の方々の出現頻度も随分と落ちています。もういない、という訳ではないでしょうが、こちらも終わりが見えてきたと言っていいでしょう」
「……お気に入り、は、一番奥に大事にしまうか、自分に近い場所に置いてる気がするんですよね。お気に入りがあれば、ですが」
「そうですね。司令部でも、要救助対象の方々を探知する方法を探しているようです」
そういう懸案事項もあるし。何とか土日の、司令部が大きく動く時までに、迷路型モンスターぐらいは全滅させておきたいとこだ。補充するならするで、相手のリソースは削れてるんだろうし。
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