第1016話 37枚目:難易度上昇
魔法陣の解析は割と困難だったようだが、どうにかリソースの吸収を止める部分は私がログインしている間に見つかったので、解析の手を緩める必要はなくなって良かった。
そのタイミングでもう1つの方も同じような魔法陣が見つかったから向かってみたら、効果は一緒でも構造が全然違ったらしくて、そっちは解析間に合わなかったんだけどね。エルルに戦線持たせてもらって、私のログインを待って再挑戦だってさ。
「まぁ体力やらなんやらが減っていく感覚って、中々集中の敵ですからね……」
そんな感じでなかなか苦労しつつも、2つのイベントダンジョンの両方で5つ目の中継拠点の設置にこぎつけた。転移可能な場所に2個目の中継拠点が追加され、5個目以前の探索範囲で全域にかかっているデバフがマシになったようだ。
そして手前側程効果が劇的ではないものの、5個目の中継拠点から奥を探索する時のデバフも緩んだらしい。まぁ、ある意味とても順当だな。
で、順当であるなら関門を1つ超えたって事で難易度が上がりそうなものなのだが、そちらもまた順当だったらしい。どういう形でそれが分かったかというと。
「次の中継拠点候補地までの距離が、ざっと2倍弱……。距離的にはそこまで難易度が上がった感じはしませんけど。影響のある半径としてみる場合、2倍できかないんですが」
という事だ。一応6個目の中継拠点候補地も見つかったんだが、仮組してみた拠点の耐久度がすごい勢いで削れていったため、まずは周囲の掃討を優先してるってさ。
なので、私もルイシャンに乗せてもらって、ニーアさんとルウと一緒に掃討側に回っている。いくら資材を持ち込んでも、拠点を作る事が出来ないのでは意味がないからね。
それに若干の軽減が発生したとはいえ、確実に最初の入り口付近よりデバフは強くなっている。戦力及び探索班として動ける人数が減っているところで探索する範囲が広くなってるから、負担は大きくなってるんだよな。
「ここまで来た
「ある意味一番順当な難易度の上昇ですからね。むしろ、それを外すというのはまずありえないでしょう。むしろ、強くなっていない方が話題に上がっていたかと」
「それもそうですね」
フリアドの運営ならそうなるよな。今までのパターン的に。
という訳で、お盆休みで
距離だけならどうとでもなるんだよ。距離だけなら。その周囲まで探索し尽くすのに人数が必要で、その人数がだんだん限られてきてるから厳しいだけで。
「これ、もしかして他に何か軽減の方法がありません?」
「もしくはもっと『勇者』を頼れ、という事かもしれませんね」
という話が出るくらいには進捗が悪い。だって絶対中継拠点の数にして10では終わらないだろ。最低でも倍はある筈だ。だって、まだ一度も要救助者に遭遇してないんだから。
流石に前回で全員を救助できたとは思っていない。むしろ、よりしっかりガードされてて難易度の高い人が残っているだろう。ポリアフ様が助けた獣人族と露樹族の人達もそうだったし。
で、その人たちを1人も見つけられてないって事は、まだ奥があるって事でな。
「……20で済めばいいんですけど」
「今後もこの調子で候補地同士の距離が開いていくとしても、それぐらいで終わってほしいところですね。……恐らく更に10は上でしょうけど」
「100は真剣に勘弁してほしいところです」
8月はお盆休みが本番なところがあるからな。……もし30だったとして、全体進捗なら丁度良くても、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます