第983話 34枚目:イベントリザルト
途中で、救助対象者を連れたまま挑戦を継続すると、偶発レイドが高確率で再発する、という事が分かり、更に救出に加速がついた。難易度は相応に高いが、そこは連携と工夫の力だな。
そのかいあってか最後の土曜日には連続挑戦回数800回の所で儀式を行う事が出来て、その夜には1000回が上限である、という事が判明したらしい。早いな。
まぁどうやらここまで押し込んだ成果というか、ここまでの削りが効いてきたというか、最初の100回ぐらいはほとんど何も出なくなっているらしい。全体的に難易度が下がっているようだ。
「なるほど。それで最初の殲滅も、思ったよりは難易度が上がってないんですね」
「とにかく大出力の魔法でまとめて吹っ飛ばしていいのは楽ね」
「溜めありきとはいえあれだけ吹っ飛ばせるとか、ソフィーナさんの火力はどうなってるっすか?」
「各種バフありきよ」
まぁこれだけモンスターを倒していればなぁ……と、使い道のない素材を神殿で捧げつつ思うが、ここまでやれば、
4月スタートの新人
……何このガチ戦記もの。一兵卒の気分がよく分かる。種族間格差が酷くないか。一騎当千はバケモノ。補給が大事に過ぎる。そんな感じの感想()であふれてたからな。
「さぁ大詰めです。出来る限り加速をかけていきましょう」
私の場合、病気で弱ってる竜族の人を【調律領域】で治療したら、そのまま自力で移動してくれるからね。無理は良くないが大変ありがたいんだよな。
という訳で、5月イベントは終了した。終盤でイベントのお知らせが来なかったので、次のイベントは期間が短い方なのだろう。行方不明者リストが埋まったわけではなく、実を言えば偶発レイドも出尽くした感じはしなかったので、走り切ったと言えるかは微妙だが。
さてリザルトだが、最高連続挑戦回数は1000回で頭打ち、累計連続挑戦回数が一定ごとに報酬があり、レイドボスの撃破回数と救助人数が、参加した回数分だけ報酬が出るようだ。ここに競争要素は無かったらしい。
まぁその分、イベント期間中にイベントダンジョンで手に入った素材を捧げた事による信仰値、という枠があったから、こっちで競争することになっていたのだろう。
「競争している場合じゃないでしょう、と、何度思ったことやら」
で、内容だが。最高連続挑戦回数は100回ごとに経験値ポーションやイベント限定武器が出てきて、1000回にクランハウスに置ける記念の置物があった。どうやら設置する事で、クランに所属している全員のステータスが微増するらしい。
累計連続挑戦回数の方はというと、こちらは建材だった。いや、一応各種消耗品の詰め合わせとかもあったのだが、圧倒的に建材が多かった。いや、使うけどね? 今回押し込んだことで、砦の作成が捗ってるから使うんだけどね?
確かに腐りはしないしいくらあっても足りない類ではあるけども……と思いつつ、レイドボスの撃破及び救助の報酬を確認する。こちらはどうやら、参加した回数分だけの宝箱がもらえるらしい。
「……どっかでやはりガチャへの食いつきが良いって学習しましたかね、運営」
宝箱の中身はどこにも書いてなかったが、たぶん確率で何が出てくるか分からないとか、そんな感じなんだろうなぁ……。最後の方はレイドボスに連続挑戦してたから、結構数があるし。報酬が多いのはいい事だし、助けられた結果なんだから更にいいんだけど。
で、まず1つ開けてみて、その中身は……
「え。なんですかこの、ファンタジーらしからぬ入れ物は……」
……なんか、タッ〇ー的な入れ物が出てきたんだけど、ナニコレ。30㎝四方で高さが15㎝ぐらいかな……? しかし蓋を開けた感じとか、完全に〇ッパーなんだよな。おい運営?
何だこれ……と思いながら、とりあえず【鑑定☆☆】してみる。流石に、イベント報酬に意味のない物を用意するような運営ではない筈だ。……これが外れ枠でなければ、だが。
[アイテム:封印の小箱
耐久度:100%
説明:密閉度の高い不思議な入れ物
中に入れたものの状態を保ち、外部からの影響を遮断する効果がある
生き物を入れた場合は時間経過による窒息に注意
中に何かが入った状態で破壊された場合、入っていたものはその場に散乱する]
…………えーっと。
とりあえず、あれか。次のイベントでは、封印系の魔法や手段が大活躍する、というか、無いと詰むんだな?
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