第976話 34枚目:神獣の力
[種族:麒麟
名前:ルイシャン
状態:健康
装備:雲の衣
雷の衣]
カバーさんに相談した結果、「瑞祥」という言葉の読みをそのまま名前にすることにした。雪像たちや霊獣、属性精たちでもう名前はだいぶネタ切れになってたからね……。
ちなみに私の島に連れて帰って真っ先にしたことは、研究所に行って研究員の人達に
予想は大当たりで、話だけで暴走しかけていたので、最終手段を使うことになった。
「なお、ルイシャンはうちの子です。無体なことをした場合は、信用のおける外部組織に預けた上で出禁にします。……いいですね?」
普段の福利厚生をしっかりしているからか、まーよく効くんだ。以前ルールから、私が却下した調査をこっそり実行しようとしている、っていうのを聞いて、事前に「注意」しに行ってから特に素直に聞いてくれるようになった気がする。
さて、麒麟のルイシャンだが、どうやら割とバリバリ戦えるタイプだったらしい。様子見もかねてボックス様の試練に連れて行ってみたら、どっかんどっかん雷を落としてモンスターを殲滅していたから。
「うーん実に頼もしい。足も速いし、即戦力では?」
「伝説と呼ばれるだけはある、という事ですね。恐らく、本来ならあれだけの攻撃を行う為に必要な主の魔力で制限がかかるのでしょう」
なるほど。本来なら主となる
あとは、雷の音と光がかなり派手だから、閉鎖空間での戦いにはあまり向かないかもしれない。……と思ったんだが、ルイシャン、普通に足が速いし小回りもきくので、踏みつけや蹴り飛ばし、タックルからの角でひっかけて投げると、肉弾戦でも十分戦えることが判明した。
なお防御面は流石に柔らかいのだが、どうも装備欄にあった「雷の衣」というものの効果なのか、攻撃を受けそうになったら、雷でカウンターしてるみたいなんだよな。強い。
「……カバーさん。確か当日の巫女3人は、神の力を降ろした状態で突入するんですよね?」
「そうですね。お2人は【人化】を解く必要はないようですが、普段よりは動きが制限されるかと」
「で、確かカトリナちゃんは、形ある加護が瞳に与えられていましたよね?」
「そうですね。よって当日も顔を垂れ布で隠して行動することになるようです」
「……今のルイシャンでも、1人ぐらいは乗れそうじゃありません?」
「なるほど。どうやらあの卵の殻から専用装備が作れそうとのことでしたので、確認しておきます」
「よろしくお願いします」
安全性を上げるに越したことはないからね。精一杯頑張って守るつもりではあるが、不測の事態というのは起こりうるものだし。……なんか、「ちょっ、待っ、なんって恐れ多いことをしてくれてるのよ!?」とかいう叫びが聞こえた気がするが、気のせいだな。
という訳で、突入当日。ルイシャン専用の鞍も作成が間に合い、カトリナちゃんはだいぶ挙動不審になっていたが、大人しくルイシャンの上に横乗りしてくれた。なおルイシャンは神獣(=精霊獣の限界突破個体)なので、ダンジョンに連れて行くと、神の加護を封じる力を少し押し返してくれるようだ。
また本人が神の加護を受けているという訳ではなく、霊獣や属性精達と同じで、行動への減衰そのものはかからないらしい。頼りになる戦力が増えたな。もちろん散々に注目は浴びていたが、それはもう今更だし。
なお、道中に関して言う事はない。『アウセラー・クローネ』がフルメンバーの上に、
「まぁ、ここにいる分には、最大の敵は移動時間でしょうからね。これでようやくイベントが進む……と、いいのですが」
結構な人数が集まった上に、全員が全員やる気に満ちているから、移動も速かったな。普段ならモンスターの強さが上がったところで減速するんだが、それも無かったし。
なのでログイン時間の制限がそろそろ見えてくる、というあたりで、連続挑戦は新記録の250に達した。ここから更に50は無理だろう、という事で、ここで儀式をすることになった。
「思ったよりも進めたのはいいことです。……オプションについても話し合いは済んでいますし、これで更に加速がつく筈ですね」
ちなみにオプションは、超大型モンスターハウス、幅広の直線通路、ボスラッシュだ。どれも戦闘力でなんとかできるか、探索の手間がないものだな。
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