第969話 34枚目:障害考察
後で聞いた話なのだが、どうやら
だがやはり制御が難しく、魔法や特殊加工でどうにかしようとすれば限界があり、その辺をどうにか出来るのは神の加護、となって、結局イベント期間内の開発は間に合わなかったようだ。
ちなみにこのイベント、大型獣モデルの獣人族や、大型獣そのままな魔物種族の
『やっぱり序盤の移動時間がネックですね。200回を越えた辺りで難易度が上がって進む速度が落ちて、そのままログイン時間が尽きてますし。戦闘と言う一点だけを考えるとまだ余裕はあるのですが』
『儂もその辺りが限界じゃの。いくら速度を上げて走った所で、やはり人の形をしている分だけ限界があるわい。それに加えて罠がある迷路じゃからのー。下手に押し通ろうとすれば余計に時間がかかって逆効果じゃ』
『「第三候補」と「第二候補」でもダメかー。俺も使い魔に乗ろうかと思ったんだけど、長距離移動だと耐久度がなー。地面も環境もあれな上に戦闘に巻き込まれるから、素材を良くしてもやっぱり限界がある!』
『そうね~。箒も使ってみたのだけど~、警戒が薄くなって余計な被弾が増えちゃうわ~。それに飛ぶこと自体に使う魔力もバカに出来ないから~、結局息切れしちゃうのよね~』
『神の加護を封じる力自体は、じわじわと弱体化しているのであるがな。故に、徐々にだが連続挑戦数の絶対値は伸びているであるが……。啓示で示唆されていた他の召喚者との合流も発生報告が無い。まだまだ深みとは言えぬであろう』
消耗品を生産して補充しながら、クランメンバー専用広域チャットで作戦会議だ。なお精霊獣と属性精を可能な限りパーティに入れた上でルチルについて来て貰ったのだが、100回を越えた辺りで全員揃ってぐったりしていたので、やはり住民が挑戦回数を重ねるのは無理があるようだ。
神の加護を封じる力、異界の理というものへの耐性スキルでもあればいいのだが、そちらも今の所発見報告は無い。住民でも新人
もちろん個人用の神殿はぐっとアップグレードしたし、竜都にある神殿の内、大きなものから順にいくつかは祭壇を入れ替えて貰った上で建材を使ってリフォームしてもらった。だから、あの大陸における神の力、というのは、確実に増している筈なのだが。
『あれ? そう言えば「第三候補」、困った時はこれ! っていう神様系のスキル無かったっけ?』
『【王権領域】なら、イベントダンジョン内部で展開した瞬間に強制退場を食らいましたよ。しかもパーティメンバー全員の体力半減の上で非常に強力な回復阻害が付いてきました』
『なるほど! それはダメだな!』
同時展開していた【調律領域】は生きていたので、そちらで慌てて皆の回復を手伝ったから何とか事なきを得たが、酷い目にあった。なお、もちろんこの事例はクランメンバー専用掲示板に報告済みだ。見ていないのか忘れているのか、どっちだ?
まぁ、でも、そういう事なので、内部に直接神の力を叩き込む、という訳にはいかないようだ。先月のイベントアイテムが残っていれば良かったのだが、運営に回収されたからな。
というか、間違いなく使われるだろうから回収したんだろうけど。ズルは許さないってか。じゃあもうちょっと分かりやすく情報を出してほしい。もしくは正攻法だとまず無理な難易度をどうにかしてほしい。
『とりあえず、今のところ一番可能性がありそうなのは「第四候補」の使い魔ですかね。レベルを上げて戦い始め頃に採れた鍍金の竜の素材を使えばそこそこいい線いくのでは?』
『どんだけレベチな素材だと思ってんの!? 無理無理無理、真面目に無理! 少なくともイベント期間中は無理!』
『必要ならボックス様の試練で再戦して調達して来ますから、頑張ってください』
『俺の話聞いて!? 梯子も掛けずに屋根の上に放り投げるのは止めよう!?』
『せめて出てくる形が統一できれば良いんじゃがの。大部屋だけとか、大物だけとか、とにかく移動距離が短ければ何とかなると思うのじゃが』
『そうね~。戦闘力だけなら~、ベテラン
『そうであるな。それでなくとも、せめて迷路でなければやりようはあるのであるが……。もしくは、正しい道さえ先に分かってしまえば、大幅に時間を短縮できる筈であるのだがな』
『無視はもっとキツいんだが!? なぁ俺なんかしたか!?』
『何かというか、梯子を外した代わりに飛び降り用のマットを用意したんですが』
『あーなるほどスルーされてる間に話題を変えて逃げれば良かったのかー。って分かるか!』
でも実際の所、「第四候補」の使い魔が最有力候補なんだよな。イベントダンジョン攻略の鍵になるって意味で。
情報が足りないような気がするんだけど、例によってどこを探したらいいかすら分からないんだよなぁ……。
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