第898話 28枚目:進化結果
行きと同じく即行で戻って来たニーアさんに聞いたところ、皇族が【成体】になった時の祈り(報告)で冠を授けられると、神が皇族としての資質に太鼓判を押した、という扱いになるようだ。
なので、竜皇になる事を選んだ皇族が冠を授けられない場合は、選び直しになる事もあるらしい。そして今回の私のように、竜皇にならない事を選んだ皇族が冠を授けられた場合は、他の大陸にある都市を統治する資格が与えられるんだそうだ。
「とはいえ資格有りと言っても末の姫様ですので! 竜都も再び復興するにしても、順番的には最後ですから。よほど何かが起きない限りは大丈夫かと!」
って事で、北国の大陸の竜都を運営するのにかかりきり、と言う事にはならないようだ。良かった。サーニャがちょっと残念そうだが、良かった。流石にいくら何でも私まで順番が回ってくる事は無いだろう。
そして竜皇様を筆頭に、家族(仮)全員と一度に面会。ここでも一通り花冠の事を褒められ、ついでに私個人を示す紋章がカスミソウことジプソフィアの花冠(輪)になる事が決定した。何も問題は無いな!
そのままパレードが開始され、大陸全体から見れば小さいとはいえ、十分に大きい湖、その周囲をがっつり分厚く取り囲んでいる岩の塊の山脈、その岩肌をぐるりと削って作られた竜都を、ぐるっと一周する事になった。
「……ははは。私、大人気ですね」
「そりゃそうですよー。末の姫様というだけでもう皆一目お目にかかりたくてしょうがなかったのに、あの炊き出し代わりのお祭りに加え、冠を授けられ、そしてこれだけ可憐にお美しいですからね!」
その時の盛り上がり? この会話を参照で。いっやー……『可愛いは正義』の人達も大概だと思っていたが、何と言うかこう、これ半分以上信仰なんじゃないかなー? って感じだったよ……。
…………竜族の人達に混ざって、全く違和感なく盛り上がっていた人間種族の人達がいたが、もしかしてあれは『可愛いは正義』の人達だったんだろうか。すごいな。色んな意味で。
そんな感じだったが、パレードの進行が妨害される事は無かったので、予定通りに進める事が出来た。……と言っても広さが広さだったので、やっぱりそれなりに時間はかかったが。というか、ログイン時間をほぼ使い切る事になったが。
「(まぁあのウィンドウはスクリーンショットに撮ったし、とりあえずカバーさんにメールだけしとこう)」
がっつり歓声を浴びながら、立ちっぱなしで微笑みっぱなしの手を振りどおしって、間違いなくキツいよね。ステータスの暴力でその辺桁外れの耐久性を持ってる
の、翌日の夜のログイン。平日だからね。こちらもどうにか実績を積み上げに積み上げて、お城へ出入りする権利を得たカバーさんと合流し、私の種族や例のボーナスを確認してもらったところ。
[アイテム:月燐石のネックレス・幸
装備:アクセサリ(状態異常耐性+*7・
耐久度:Gi
説明:月燐石で“神秘にして福音”の神の神花が描かれたネックレス
身に着けた者を災いから守る力がある
また身に着けた者の余剰魔力を蓄え、不足した時に供給する力がある
信心と敬愛の証として贈られたもの
大神にその信心が認められ、より大きな祝福を受けられるようになった
肌身離さず着用し共に成長した影響で、祝福の力が強化された]
[種族:エレメンツスピリット・ドラゴン
説明:世界に属する善及び中立の存在との調和に特化した竜
特に精霊との親和性が高く、その身に精霊を滞在させる事が可能
居るだけで周囲に居る善及び中立の存在を強化する
また、味方と判断したものには更に強化が上乗せされる
この強化を受けるかどうかは受け手が判断する事が可能
逆に、悪なるものには負荷を与え、これは強制的に上乗せされる
ただし周囲への影響が大きい分、この竜自身の成長は非常に遅い
またこの種族へ進化する時に、その能力は著しく弱体化する]
[種族:ロイヤルドラゴン・シルバームーン
説明:皇となりうる内、親しいものを含めた周囲との和にして輪を選んだ竜
能力の上昇は緩やかになる代わり、周囲への影響力が増している
ただし皇に連なる竜には違い無いので、その能力は十分に高い]
「…………「第五候補」と被ってません?」
「タイプ的にはとても近いでしょうね。とはいえちぃ姫さんの場合、弱体化してなおステータス的には一般竜族の方と並ぶかと」
「普通は十分なんでしょうけどね、それ」
と言う事で、ステータスがかなりがっつり下がっている上に成長率もかなり落ちているようだ。なるほど。……
ちなみに「一部種族特性が強化」されていたが、それは恐らくどちらも「周囲の強化/負荷」ではないだろうか、との事だった。現場にいるだけで周囲を強化するとか、それはそれでぶっ壊れてるな。
あ、ちなみに【吸引領域】が変化した【調律領域】っていうのはこんな感じだったらしい。
[スキル【調律領域】
説明:自身を中心とした一定範囲を調律する
解説:味方と認識している存在には最大で自身と同じ能力になるまでの強化を与える
敵と認識している存在には最大で自身と同じ能力なら耐えられる負荷を与える
範囲内の存在から任意で一部能力値を吸収する事が出来る
範囲内の存在へ任意で一部能力値を供給する事が出来る
効果範囲は信仰値依存(現在半径50m・全方位)]
いやぁ、カバーさんに見て貰うと出てくる情報量が多くていいね。そうか、効果範囲は直径100mか。全方位って事は、上下も含むんだな。そして魔力の操作で範囲の形は変えられると。
そんでもって、【吸引領域】だった時の名残というか影響というか、相変わらずの吸収能力はあるらしい。逆に供給する事も可能になってるから、もしかして私の回復力(相手から奪う分を含む)が追い付く限り無限回復状態になるんじゃないか、これ。
……ただでさえ種族特性で常時周りへの強化と負荷をばら撒くってのに、これも重ねたらどうなるんだろうな? それでなくても【王権領域】があるから、全部重ねたら酷い事になるのでは? 色んな意味で。
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