第899話 28枚目:今後の方針
その後カバーさん及びニーアさんと一緒にお城の訓練場にお邪魔し、その端っこで現在のステータスを確認してみた所、現代竜族の【成熟体】な軍人さんとほぼ同じくらいだと言うのが分かった。……おかしいな、十分高い筈なんだけど低く感じるぞ?
なお「竜鉄塊」は既に外して、あの進化の時に残った鱗付きの皮と一緒に既に鍛冶師さんの所に送られている。とりあえずは基本的な長剣になるとの事なので、そこから色々試してみながら最終的な武器を決める形になるらしい。
「まぁ今のステータスで前のステータスの鱗を使った武器なら、思う程には壊れないでしょう」
「予備もたくさんありますし、その予備を壊した分は鎧になりますからね! ガンガン壊しちゃってください!」
そういう事らしいので、ようやく取るだけ取って日の目を見なかった武器スキルが上げられる。耐性とステータスを補正する種族スキルが進化の時に思いっきり圧縮されたのもあって、スキルの入れ替えを含む色々がとても楽だ。
ちゃんと【成体】になったので、体を動かす事に対する反対はようやく出なくなった。むしろエルルもサーニャも鍛え方を指導してくれるようになった。やったぜ。ステータスは見る影もないぐらいに下がってるけどな!
「それぐらいの方が安心して教えられるんだよな」
「と言うか、姫さんが姫さんな事考えると、今ぐらいで丁度いいんじゃない?」
種族特性的には最前線に立ち続けて、この強化と負荷の領域を押し付けていくのが適性ポジションだと思うんだけどな。その為にはしっかり鍛え直さないといけない。「竜鉄塊」によるブーストは無くなったけど、
でもまぁしばらくは主に武器について試行錯誤って事で、お城の訓練場に通う事になるだろう。特級戦力はしばらく「第二候補」に任せるか、私がエルルかサーニャをフルブーストして、という事になりそうだ。
……魔法についても確認したら、攻撃系はステータス相応の威力になっていたが、
「というか、周囲への影響力が高いと、周囲からの影響はカットされるみたいなんですよね。各種耐性がどうもそのままなので。あと、回復力は恐らくスキル依存なので、こちらもそのままですし」
「だから、それとこれとは別の問題だ。いくらお嬢がちょっとやそっとじゃ死なないって言っても、危険地帯に自分から飛び込んでいくな」
「一番死なない人が先陣を切るのは正しい姿なのでは?」
「そうだがそうじゃないって言ってるだろ!」
おかしいな、間違った事は言ってない筈なんだけど。……間違いではないが正しくもない? そっかー。皇女的正解の行動はとれないというかとりたくないから、そこはやっぱりどうしても噛み合わないな。知ってた。
まぁでも、しばらくは訓練場で武器スキル上げだな。特に小型の敵相手の動き方。今まではステータスでゴリ押してきたが、現代竜族の人達が苦戦している現状、多少なりとまともに動けるようにならないと無理があるだろうし。
というか、正直、格好悪い。公認の皇女なのに動けないとか。……ただ、中身が運動音痴だからなぁ……。スキルアシストでどれくらい補正してもらえるか……。
「その辺もステータスでどうにかしてましたからね……」
大体の動きって、丁寧にゆっくりやれば出来るからさ。そしてステータスの暴力で相手の動きもゆっくりに見ようと思えば見れるから、中身がこうでも、周りからはそれなりに動けるように見えてたんだよね。
が、それが封じられたって事なんだよな。いやまぁ、それが普通だって言ったらそうなんだけど。むしろ今までが特殊って言われたらぐうの音も出ないんだけど。
……それに、今なら多少動きが変でも、進化したてだから、って言い訳が使えるしね……。その間にちょっとはまともに動けるようになっておかないと、こう、皇女の威厳的なものが、大変な事になっちゃうから……。苦手でも、頑張るしかないんだよなぁ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます