第644話 22枚目:ステージリザルト
「皆大体時間が合ったからその流れで合流した? ……あぁなるほど。私以外誰も最終日まで生き残れなかったんですね、召喚者組は」
「いやあれを初見で最終日まで生き残れるとか「第三候補」がすげーんだからな!? 流石生存能力最強!」
「文句を言う口調で褒められると反応に困りますね」
ちなみに、サーニャは住民なのでログイン制限時間なんてものは無い。だから一緒に移動できたようだ。という話を聞きながら、「第五候補」が連れて帰って来た、雲竜族の子のブラッシングを終える。あーもふもふ可愛い。
ちなみに親とか兄弟は? と聞くと、そちらは「非実体化」の解除が間に合わなかったとの事。これは何としても家族を合流させないといけないな。とりあえず家族の名前だけでも聞いて覚えておくか。私なら枠やポイント的にも足りるだろうし。
そうそう。ポイントの引き換えだが、最後まで生き残ってからの帰還だとそのまま次のステージに繰り越せるらしい。もちろんリストは次のステージに入った時点で消えてしまうが、今回はいくつか宿光石を持ち帰るに留めて、ほとんどを残しておくことにした。
『しかし、洞窟であるか。なるほど、通りで誰も来なかった筈である』
「山には登ったけど~、洞窟は知らないわね~」
「こっちだと洞窟は見つけたけど、洞窟スタートな奴はいなかったな!」
「洞窟どころか山に登る前に一掃されたっす」
「大岩を調べる前に拠点の構築に入ってたわ。大岩を調べておくんだったわね……」
「大岩は調べましたけど、光属性の魔法を使える人が少なかったんです。スキルを開放するイベントアイテムは、山の方にあったんですか……」
ちなみにイベントのステージにテイム状態の仲間を呼ぶ条件だが、やっぱり本人が寝ている状態でないとダメだったようだ。それを聞いたエルルがかなり頭を抱えていたが、まぁ多分次もサーニャを呼ぶことになるんじゃないかな。属性的に。
「あ、それなんだけど姫さん。次呼ぶとしたらエルルリージェを呼んでくれないかい?」
「そうなんですか?」
「……聞いたことがあるんだ。“影の獣”って名前を。確かに属性的に優位なのはアレクサーニャだが、あれは確か、単に攻撃しても消し切る事が出来ない、物凄く面倒なやつだった筈だ」
「そういう事だから、対策って意味だとエルルリージェの方が適任なんだよね」
「なるほど、分かりました。ただ、無理を通すだけあってかなり準備が必要ですから、時間はかかると思いますが」
と思ったんだけど、まさかのエルルが知ってる相手だった。まぁそう言いながらも眉間にしわを寄せてるから、元々そんなに重要な情報として覚えている訳じゃないみたいだ。
まぁ時代的に、具体的な時間がどれだけ経っていたのかは分からないけど、対策が出来てるって事はある種「解決済み」な案件なんだろうしな。「過去にこんなことがあった」程度の、歴史の勉強の一環、程度ならそんなもんか。むしろよく思い出せたな。
とは言え、面倒な相手に対策が出来るなら歓迎だ。確かに、これどうすればいいんだ? とはなってたからなぁ。
「宿光石の現物があるのはありがたいな! 「第三候補」、鎧ちゃんちょっと借りていいか!?」
「本人に聞いて下さい」
「(・∀・*)」
そして早速「第四候補」は、ルージュと共に宿光石の照明器具を作りに行った。そうだね。時間は貴重だからね。
なおこの会議室に集まっていたのも、カバーさん達が情報を集めてまとめるまでの時間を、雲竜族の子……ヘルマン君と遊びながら過ごす為だったのだそうだ。まぁ確かに、ふわふわ長毛ドラゴンの子供とか間違いなく可愛いから。
そういえばヘルマちゃんは無事竜都に辿り着けたのだろうか、と思ったが、まぁそれはあの封印された竜都の封印を解いてみれば分かる事だ。とりあえず今は、目の前の事から対処していこう。
「さてそれでは皆さん。こちらの宿光石の欠片をボックス様こと“神秘にして福音”の神の試練で増やすご協力をお願いします」
「あら~? 「第三候補」は参加しないの~?」
「私は光属性の魔法のお札を作る仕事がありますので」
「確かにそうね~。そっちも頑張って~」
具体的には、宿光石をボックス様の試練で増やし、宿光石を使った照明器具を大量に販売する事だ。攻略に必要だからね。……まぁ、絶対に利益が出る物ではあるし、たぶんこれからも必要になる感じのアイテムだし、影が出来ないって普通に便利な灯りではあるけど。
なお私はお札作りだ。私が使える中で最上位の光属性壁魔法と、回復効果よりエフェクトが役に立つ光る床の魔法のお札を量産して、出来るだけ広範囲にばら撒かなきゃいけないからね。どうせ出す端から売れるだろうけど。
……またお金が溜まるんだけど、流石にそろそろどうするか真面目に考えた方が良いかな、この現金資産。
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