第609話 22枚目:イベント締め
「雪玉袋」に関しては予定通りルミにあげて……サイズ自動調節機能付きという事がそこで判明したが……後はナヴィティリアさんの同行時間を延長しつつ、クランハウスである島で育てているアレコレへの助言を貰って過ごした。
何故かその途中で「第一候補」に呼ばれていったようだが、そちらはどうやら、「凍て喰らう無尽の雪像」の報酬に、クランを対象としたものがあったらしい。その設置に関する相談だったようだ。
『ところで「第一候補」、冷蔵庫が文字通り異次元レベルで広くなっているんですが?』
『皆が頑張ってくれたおかげであるな』
……うん。冷蔵庫の番人兼管理者として、ルミとルンタ(あみぐるみ(白熊)の名前)を常駐させることに決めておいて良かったよね……。
あぁそうだ、雪像と言えばあの、イベント終わりに主が見つからなくてこちらにやってきた雪像達だが、順番に冷人族の人達と引き合わせてみて、そちらに引き取って貰えそうだったらお願いしていたりした。なので、私が【絆】でテイムしている雪像は順調に減っていっている。
まぁそれでも、若干残りそうな気配はしているんだが……枠には余裕があるし、冷蔵庫がそんな感じなので、ルミを頭として、冷蔵庫の管理に回って貰う事になるだろう。
「実際枠には余裕がありますしね。……ところでこの【絆】のレベルってどこまで上がるんでしょう。流石にそろそろスピードが落ちて来た感じもしますが」
『枠を常に一杯にして、その全員が積極的に動いているなら問題なく上がりますよ。上限レベルは1000で、もう二段階進化しますね』
「最初からレベルが上限まで上がるのに2回も進化するんですか。先が長いと言うと何と言うか……」
『ルミル様の種族的進化先としても、上げたら色々と良い事があるかも知れませんね』
「そうなんですか!?」
相変わらずナヴィティリアさんは最高だな! 進化に関わるとか聞いて無いんだけど!? 言い方的に必須の方じゃなくてボーナス的な気配がするけど。うわぁ頑張って上げよう。
……と、最後の最後までありがたみたっぷりなナヴィティリアさんの降臨も、イベントと共に終了する。いくら雪像を作って捧げても、イベント終了の時間までしか延長できなくなってたからね。
「まぁでも、ナヴィティリアさんがいる間に箱庭を作って捧げられましたからね。やり遂げました。協力してくれてありがとうございます」
「いえいえそれほどでも。……しかし、大変な物を頂いてしまいましたね」
「ボックス様とナヴィティリアさんですから」
ナヴィティリアさん曰く、眷属が降臨している状態で、神から頂いた祭壇&神殿で、神の由来に深く関わる捧げもの、という条件が重なったから、との事で……種の入った袋をね、貰ったんだ。
何の種かって聞いてみたら、うん。コトニワにあった植物の種のセットでね? もちろん育てる条件が「バカなの?」って思わず言いたくなるぐらいのやつもあったけど、まぁ、それぐらいには効果があるやつも含んでるって事でさ。
もちろん種類が多いから、普通の薬草類やスパイス類も含まれてて、そうだなー……現代日本の魔改造されたカレーの材料がこれで全部揃った、って言えば伝わるだろうか?
「あーもう相変わらずどこまでも最高なんですから……!!」
「相変わらず全力な……」
「いやぁありがたいよぉ。研究がとっても捗るねぇ」
「本当に助かるわね。一気に料理のレパートリーが増えるわ」
「これは忙しくなりそうメェ」
「でもきっと楽しい仕事メェ」
もちろん育て方は聞いてメモに取ってあるよ。これはまた島を大きくしないといけないか? 土地が足りない。まぁ、今すぐ全部育てる必要は無いし、なんなら順番に入れ替えながら植えればいいんだろうけど。
さて、イベントが終われば5月に突入し、そのまま大型連休がスタートだ。世間一般では大変賑やかな事になっているが、フリアドのイベントはタイミング的に、大型連休が終わってからスタートとなる。
しかし、せっかくプレイ人数が増えるこの大型連休を、何もない日常で過ごすというのも考えづらい……と思っていたら。
「
5月2日、午後。昼に届いたらしいそのお知らせには、ある意味納得すると同時に、予想外な内容が書かれていた。
その内容を短くまとめるなら、そうだな。
「……時間加速によるサバイバルキャンプ、及び、その内部での制限を緩める為の限定アイテム回収……絶対忙しい奴じゃないですかそんなの」
第一回イベント以来姿を見せなかった、時間加速。それが今回、登場するようだ。
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