第449話 18枚目:イベント進捗
更にそこからしばらく話を聞いたところ、祭壇に捧げるまでの葛藤も加味されるらしく、だから敢えて情報は伏せていたとの事だった。いやまぁたっっっぷり頭抱えて悩んで葛藤したけどさ。
しばらく考えて、「月燐石のネックレス・祝」の詳細をカバーさんにだけ追加でメールしておいた。またこれでステータスの暴力が捗る事になるだろうし、戦力把握は大事だからね。
そしてどうやら生来武器も神器扱いで、信仰値以外にも使い込んだ時間や頻度、倒した敵の数も加味されるとの事なので、全員分(今いないルイルの分も含む)を確保する事が此処に決定した。
「エルルやカバーさんやソフィーさん達も強化したい装備があったら言ってくださいね」
「ではお言葉に甘えまして……」
「ソフィーナ。確かあの試練を超えて手に入れた腕輪って確か神器でしたよね?」
「そうね。どう強化されるのかは想像もつかないけど」
しかしそうやって考えると祭壇の情報が制限されてるのは妥当なのか。普通に危険物だもんな。そもそも前提となる神器の入手難易度が高いし、そうなれば普通の
入手できるレベルになっているなら、スキップ用途で使う事は無いだろうし。まぁ他にもまだ使い道はありそうだから、まだそうだと言い切る訳にはいかないんだけど。
それに「大神の祭壇」と「空白の祭壇」は、やっぱり違うものなのだ。その辺もちゃんと調べないといけないだろうしね。
「私達が突入した洞穴は、【鑑定☆☆】で分かる程「異なる理」の影響が出ていませんでしたからね。そういう意味でももうちょっと数をこなさないとどうとも出来ないんですが」
イベントも既に後半戦に突入している。それでもなお調査が追い付かないボリュームに、今回ばかりは完全攻略が厳しいんじゃないか、という話も出ているぐらいだ。
まぁ新人歓迎イベントとしては大成功みたいだけど。魔物種族も割合は少ないとはいえ、絶対数が増えたし。その動き方の練習も随分と環境が整っているから、マイナススキルの消化は順調な筈だし。
……問題が中央にあるのが分かってるからな。そして外縁に居ると中央へ向かうのにはどうしたって時間がかかる。それが懸念と言えば懸念だ。
「まぁパーティを組めば、そのリーダーが行った事のある場所なら移動できるみたいですし、その辺お願いしたら来てくれそうな人に心当たりはあるんですけど」
具体的には、ソフィーさん達経由での『可愛いは正義』。何かあったら声をかけてお迎えに来てもらおう。流石にエルルに運んでもらっても数時間かかるからな。一番最初にワープポイントを登録したのがその辺りだから。
まぁ、とりあえず。時間が無くても、その時間で削り切れるほどの火力を手に入れてしまえばいい話だ。その為にも頑張って「大神の祭壇」を手に入れないとね。
ソフィーナさんはソフィーネさんが言っていた通り腕輪が、そしてカバーさんは、どうやらローブの下に着けていた太いベルトが神器だったようだ。効果は教えて貰えなかったけど。まぁ無理に聞き出す事でも無いだろうし。
それプラスうちの子5人分で合計7個の「大神の祭壇」を手に入れるのに、結局リアル5日程かかった。途中で「空白の祭壇」も手に入れてたからちょっと時間かかったな。
「……最初にルチル先生の武器を強化したっすけど、納得の火力だったっすね……」
「本業はヒーラーなんですけどね。だから最優先だった訳ですし」
「ヒーラーの定義が崩れるっす」
なお次がルドル。タンカーは大事。強化されたのは槍の方だけど。何だろうね、あの、槍を突きだしたら当たり判定のある衝撃波が飛んでいくの。そんなスキルあったっけ。……武器に生えた特殊能力? そっかー。
そんな訳でイベント期間も残り10日ほどだ。私的な当たり、祭壇を手に入れる為のダンジョンで、その壁が「異なる理に汚染された」となっている場所は5個に1個ってとこだった。
手に入れたその大半はティフォン様の火山に放り込んでいるが、一部はボックス様や祝福をくれた神々に捧げている。どうもボックス様の反応からして、結構いい捧げものになってるみたいなんだよね。
「しかし、空白の祭壇は今一つ使い道が出てこないんですよね。領域攻略のスキップチケット以外だと、文字通り任意の神の祭壇に出来るってぐらいですし。私はまだ使い道がありましたが、普通に持て余すのでは?」
「大神官さんはその辺何も言ってないっすか?」
「その通称の通り、全ての神々に祭壇を設けようとしているらしいので、いくらあっても足りないみたいですよ」
「納得したっす」
ちなみに「第五候補」はさっさと「第一候補」に丸投げ、もとい全部渡しているのだそうだ。これ以上使い道が見つからなかったら私もそうするか。
今の所、イベントは順調だが捗っていない。何がキーになっているのか、さっぱりと「異なる理」の元凶に対する情報が出てこないのだ。
カバーさん達は『本の虫』という大看板こそ下ろしたものの、そういうストーリー的な情報の収集と検証は影でしっかり行っている。だから、実質的に検証班は健在と言っていい。
「とはいえ。既にこの亜空間の、現在の端は確認していますしね……」
どうやらティフォン様達の領域、つまり本来の外縁を越えて探索に出て来ている
その結果としてあの揺らぐ陽炎の幕っぽい壁は既に確認しているし、その近くではある程度強制的に内側へ追い返されるというのも分かっている。だから、探索という意味ではある種の区切りを付けられる位置まで探索している、筈、なんだけどな。
これは、頑張ってもう一回ティフォン様にお伺い立てるべきか? まぁその方向なら「第一候補」が既に何かしらの情報を手に入れてるだろうけど。
「で、情報を手に入れていたら共有しているでしょうし」
……またなんかフラグを見逃したとか、もしくは本体時空に移行する前提とかじゃないと、いいんだけどな。
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